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千葉県成田市の中心部からちょっと離れた、緑に囲まれたエリアに暮らす川辺さんご一家。
自然がそばにあるお気に入りのカントリーログハウスでの暮らしについて話を聞いた。
キャンプに行かずとも家で自然と繋がれる暮らし
オートキャンプに行かなくなったのは、この家でも密接に自然と繋がった暮らしができるから。
いまではDIYを必要に迫られて作るのではなく、楽しんで作っている。
さて今度は、何を作ろうか?
気取らず、肩肘張らず、緑に囲まれた家に暮らす川辺さんご一家。
この家に暮らしてからはじめた趣味は?
「家が建つちょっと前に、妻の実家で借りている土地で家庭菜園をやってみたんです。それで『野菜とかって、自分でもできるんだな』って思えるようになって。
いまは1年中、ここの庭で何かを育ててますね。一般的に知られている野菜だったら、何でも育てることができる。
無農薬で育ててるので、青虫とかは手で取ってます。隣に何を植えるのとか、植える時期とかによって虫がつきやすくなったり、肥料が多すぎると虫がたくさん来てしまうとかあるみたいですけど、それを考えながら1年中、何かを育てるようにしてるんです。
無農薬で育ててるからって、1年中虫取りに追われてるなんてことはないです(笑)。特定の花があると虫が近寄らなくなるとか、インターネットで調べたり、見よう見まねでやってますね。
いつもいつも虫取りに追われることはないですけど、春夏は野菜の成長が早いので、1週間手入れをしないで放っておくと先が暴れてくるので、剪定したりとか、結わいてみたりとか。
キュウリなんかは、夕方見ると朝の1.5倍くらに育ってるときもあるので、ドンドン採っていかないと。だからいまは株を減らして、品種を増やしていこうとしてます。一方で冬の野菜は成長がゆっくりですね」
これだけの広さの家庭菜園となると、水やりとかも大変ですか?
「水はほとんどあげないですね。植えたときの数日だけ。放ったらかしです。たまに降る雨で十分」とご主人。
「その方がおいしくなるって教わって。最初は水道が近いからうれしくって水をあげてたんですけど、水をあげない方が、植物自ら水を求めて根っこが伸びてくるって」と奥さま。
この家に暮らしはじめて、一番最初に手掛けたDIYは何ですか?
「薪棚をひとつは大工さんに作ってもらったんですけど、まったく同じコピーの薪棚を自分で作って、その間に道具の収納庫を作ったのが外のものでは最初ですかね。農機具を収納する場所が必要だなって思って。
家の中は、キッチンカウンター。引っ越して来たときは、このカウンターはないし収納もないから、電子レンジとか全部が床置き。引越し業者の方も『ここにセットしていっていいんですか?』って驚くくらい。
だから家の中のDIYとしては、妻の使いやすい高さに合わせたキッチンカウンターを作って。家を作ったときの余り材を大工さんが置いていってくれたので、それで作って。塗料も余ってたので、それを使って。
キッチンカウンターと薪棚のDIYは、同時進行してましたね。いまだに何か作ったり、育てたりがずっと続いてる感じです。
ここに住む前は、休みの日となると何もしないというか、休んでたいって思ってましたけど、いまは何かをしていたい。昼間は昼間にしかできないこと、晴れてるときには外でしかできないことをしたい。夜や雨の日は、家の中のこととか」
家にあってよかったものは何ですか?
奥さま「ウッドデッキですね。マンションに住んでたときの、リビングと同じ広さ。こんな広いウッドデッキを見たことかなかった。家を作ってるときは、その分家を広げればいいのにとか思ってましたけど、広いデッキのおかげで室内に十分な日陰もできるし、外とつながる中間の部分もできたし」
ご主人「土間はよかったですね。ウッドデッキと同じ役割ですけど、野菜を収穫してきたときに泥がついたまま置いておけるし。吹き抜けは思いのほか快適でしたね。冬は薪ストーブの熱を運んでくれて2階の部屋は暖房器具がなくても寒くないし、夏はシーリングファンが涼しい空気を運んでくれますし」
逆に作っておけばよかったことってありますか?
「お風呂場に、外からも入れる勝手口みたいのが欲しかったですね。畑仕事とかやって、外から汚れて入ってくるのに、お風呂場にそのまま入って行けるんですよ。
いまだと汚れたままリビングを通過しなくちゃいけない。だから玄関から入ったら、土間で服を全部脱いで、裸同然でお風呂までいかなくちゃならない(笑)。
それくらいで、不満はまったくないです。逆にあれこれつけたさなかったのがよかったっていう気がしてます」
収納スペースも、ほとんどないのに、特に収納家具とかも見当たらないですね?
「建築打ち合わせのときに、収納が少ないっていうのは最初から聞いていましたし、収納を増やすとそれにともなって荷物も増えちゃうというお話も伺っていました。本当にその通りだと思います。だから、モノがあんまり増えないですね」とご主人。
「前に住んでいたところが賃貸のマンションだったので、それにくらべれば十分な収納がありますよ」と奥さま。
「BESSの受け売りではないですけど『家が主役なのか、住む人が主役なのか』って思うようになって、個々の生活って自分たちが主役じゃないですけど、モノや家の自慢ではなくって、暮らしを自慢したいなって。
家も大好きな家なんですけど、それよりも暮らしぶりだったりとか。すべてが自給自足なわけではないですけど、テーブルに上がる野菜を作ることができたりとか。普段の暮らしの中に外との繋がりがあって。
この家に暮らすようになって、そういうのが気取らずできてるような気がします。そういう暮らしができる家って、ほかにはなかなかないのかなって」
今後、何かを作ろうとか、計画してますか?
「お風呂の問題があるんで、いまは外に五右衛門風呂でも作りたいって考えてますけど、場所的にはいまお花畑になっているところがあって……。そこに作るには、今後妻との交渉が必要かなあと」まっすぐに目を見てインタビューに受け答えしてくれていた、見るからに誠実そうなご主人が視線を外す。
その視線の先に、台所仕事をしながら話を聞いていた奥さまの目尻にたたえた笑みが印象的だった。<了>
川辺さんご一家プロファイル
ご主人:央士さん(41歳)
ご職業:空港職員
ご家族:奥さま・里佳さん(41歳)、長女・ひよりちゃん(11歳)、次女・みのりちゃん(3歳)の4人家族
移住年:6年(2011年築)
住居タイプ:BESSカントリーログハウス[ウォームテイスト]
取材協力
総合展示場「BESSスクエア」
TEL:03-3462-7000
http://www.bess.jp
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