パタゴニアの創業者兼オーナー、イヴォン・シュイナードが2006年に書いた回顧録の傑作の増補改訂版が発売!
初版の登場から10年を経て、『新版 社員をサーフィンに行かせよう:パタゴニア経営のすべて』が発売となりました。
新版でパタゴニアの創業者兼オーナー、イヴォン・シュイナードは、世界的な景気後退と加速する環境危機によって、またパタゴニアにとって未曾有の成功によって特徴付けられた、素晴らしくも厳しい機会と挑戦をもたらした過去10年間に、彼のビジネスと環境への見解がどのように進化したかについて説明します。
『新版 社員をサーフィンに行かせよう:パタゴニア経営のすべて』は責任あるビジネスのすべての面における青写真であり、それはデザインから製造、マーケティングから人材活用まで含むもの。
『新版 社員をサーフィンに行かせよう:パタゴニア経営のすべて』は、ヨセミテのビッグウォールで天職を見い出した若いはみ出し者の、またクライミングを永久に変えることとなったクライミングギアの革新者として、善行をなすことを彼のビジネスの中核に挙げた起業家としての叙述です。
自然界への脅威に直面する惑星の健康への深い懸念
初版の登場以来、パタゴニアは大きく成長し、いまでは年次10億ドルの売り上げに近づいています。
この成功は本書で概説されているように、パタゴニア独自のミッション「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」によってもたらされたものです。
全面的に改訂された「地球環境」の章では、シュイナードは気候変動とその他の自然界への脅威に直面する惑星の健康への深い懸念を述べています。
これらの新しい脅威に対応するため、シュイナードは責任あるビジネスのための新たな要素である「善行をなす」を加えました。
シュイナードの見解では、長期的な成功をもたらすビジネスにおける意思決定の際、パタゴニア、あるいはその他の責任あるビジネスは、収支だけでなく、物事を正しく行うことも考慮しなければなりません。
そしてたんに不必要な悪影響を抑えるだけでなく、シュイナードは大気中の二酸化炭素を削減し、惑星の命を持続させる土壌を修復することを目的とする再生型慣行を通して、解決策の一部となる新たな農業の構想についても書いています。
危機の根源にある消費文化そのものを変えようという試み
世界で最も著名な女性活動家の一人、ナオミ・クライン氏が『新版 社員をサーフィンに行かせよう:パタゴニア経営のすべて』の序文で述べているように、「本書は、一企業を変えようというだけの試みではなく、地球規模で生態系が直面している危機の根源にある消費文化そのものを変えようという試み」です。
パタゴニアは再生型農業に多大な投資をはじめました。
それはこの活動の最先端で活躍する人たちを支援し、人間が私たちの惑星に及ぼした被害を実際に反転させる方法で製造された食品や天然繊維を調達するためです。
シュイナードが書いているように「この問題の解決につながらないのであれば、責任ある企業になろうというパタゴニアの努力も水の泡となる」からなのです。
その理念は過去10年間パタゴニアのビジネスモデルに深く織り込まれてきました。
それらは植物ベースのウェットスーツ、新規の食品事業、パタゴニアの世界的サプライチェーンにおける労働者の生活をさらに良くするための画期的な水準、そして志を同じくする若い会社を支援するために設置されたベンチャー基金など、数多くの戦略に現れています。
書籍情報
書名:『新版 社員をサーフィンに行かせよう:パタゴニア経営のすべて』
著者:イヴォン・シュイナード
訳者:井口耕二
発行:ダイヤモンド社
定価:本体2,000円+税
発行年月:2017年6月
判型/造本:46並製
頁数:416