移住地としての人気が止まらない福井県
福井県は「全47都道府県幸福度ランキング2024年版※」で1位に輝いた、暮らしやすい地域です。
近年は県外からの移住者も増えており、20~50代の幅広い世代がUIターンを検討しています。
そんな福井県への移住を成功させるため、本記事では福井県の移住支援制度(令和7年度実施分)を中心に、移住のメリット・デメリット、仕事事情、体験プログラム、相談窓口やイベント情報、おすすめの市町村まで総合的に解説します。
※一般財団法人日本総合研究所編
福井県移住のメリット
福井県へ移住するメリット(利点)として、まず挙げられるのが子育て環境の充実度です。
福井県は全国的に見ても子育て支援が充実しており、実際に移住する人の半数以上が20~30代の子育て世代※と、若い家族に選ばれていることがわかります。
また、県内には豊かな自然が広がり、海・山・川・湖と多彩なアウトドア環境が身近です。
四季の変化がはっきり感じられる気候風土で、季節ごとのレジャー(海水浴やスキー、山菜採り等)を楽しめるため、休日のお出かけに困らないでしょう。
さらに、福井県は持ち家率や一戸建て率が高く、広い住まいを比較的安価に確保しやすい土地でもあります。
都市部に比べて地価や家賃が抑えられるため、ゆとりある住環境でのびのびと子育てをしたいと考えるファミリー層に人気です。
通勤通学ラッシュの混雑も少なく、移動ストレスが少ない点もメリット。
実際「通勤時間が短く家族と過ごす時間が増えた」というUIターン者の声も多く、ワークライフバランス向上を期待できます。
加えて、福井県は伝統産業から先端産業まで仕事の選択肢も意外と幅広い地域です。
後述しますが、県内にはメガネフレーム国内シェア9割を誇る鯖江市の眼鏡産業や、国内有数の原子力発電所(嶺南地域)、IT企業誘致を進める地域など、特徴ある産業が各地にあります。
地域コミュニティも比較的治安が良く、温かい人柄の方が多いと言われます。
「人が穏やかで助け合い精神がある」「困ったとき地域で支えてくれる」といった声も移住者から聞かれ、地方ならではの安心感があります。
総じて、福井での暮らしは「家族が幸せに暮らせる環境」だと言えるでしょう。
※参照元:令和5年度“新ふくい人”の状況について
福井県移住のデメリット
一方で、福井県への移住にはデメリットも存在します。
最大のハードルとしてよく挙げられるのが交通の便・移動手段の問題です。
福井県は公共交通機関が都市圏ほど発達しておらず、生活には車が必須になります。
福井市など主要エリアでもバスの本数は少なく、電車も路線が限られるため、免許を持っていない場合は取得が欠かせません。
また、移住後には車の維持費(ガソリン代・税金・冬用タイヤ等)も、家計に計上しておく必要があります。
そして福井県は北陸地方に属し、冬季は積雪や日照不足に悩まされる地域。
特に山間部では大雪になることもあり、雪かきや冬用タイヤの準備、慣れない方には雪道の運転など大変な面があります。
ただし雪については地域差も大きく、沿岸部の嶺南地方(若狭地域)は比較的積雪が少ない傾向があります。
事前に希望エリアの気候を調べ、必要な対策(車の四駆・スタッドレス必須、防寒設備など)を考えておくことが大切です。
その他、「娯楽施設や買い物スポットが少ない」という都市部との差もあります。
大型ショッピングモールや専門店は限られるため、流行の最先端を求めるライフスタイルだと物足りなさを感じる可能性があります。
この点はオンライン通販や定期的な都市へのお出かけで補える部分もありますが、「地方のゆったりした生活リズム」に価値を見出せるかが移住の満足度を左右するでしょう。
移住前とのギャップをできるだけ埋めるため、後述する「お試し移住体験」や移住相談サービスを活用し、現地の生活をリアルに想像しておくことが後悔しないコツです。
福井県の移住支援制度・補助金【令和7年度】
福井県と県内各市町では、移住希望者やUIターン希望者に向けたさまざまな経済的支援制度を用意しています。
以下の表に、令和7年度(2025年度)に福井県が募集・実施しているおもな支援金・補助金制度をまとめました。
支援内容の「概要」「申請期限(募集期間)」「支援金額」「おもな要件」を一覧でご覧ください。
制度名 | 概要 | 申請期限 | 支援金額 | おもな要件 |
---|---|---|---|---|
移住支援金(東京圏型) | 東京23区在住または通勤者が福井県内に移住し、県指定の中小企業等に正規就職または起業した場合に支給 ※18歳未満同伴の場合、1人あたり最大100万円加算(2023年度以降の転入者対象) |
随時受付(移住後早期に申請) ※令和8年3月末まで |
世帯:100万円 単身:60万円 子ども加算あり |
東京23区に5年以上在住または通勤し、福井県内の対象企業に就職/起業 |
移住支援金(全国型) | 東京圏型の要件に該当しない県外在住者が福井県へ移住し就職等した場合に支給。市町ごとに支給条件が若干異なる | 随時受付(移住後早期に申請) ※令和8年3月末まで |
世帯:50万円 単身:10~30万円 ※市町により加算あり |
県外に通算3年以上居住し、正規雇用で県内就職または起業して対象市町に定住 |
UIターン就活等交通費助成 | 県外在住者が福井での就職活動や下見に来る際の交通費を一部補助。1世帯1回まで利用可 | 令和7年4月1日~ 令和8年3月15日 (※予算上限で早期終了も) |
上限15,000円/人 *地域に応じ3,000~15,000円定額 |
日本国内に居住し、福井県への移住検討者(同行家族含む)。来県して就職イベント参加、企業面接、住まい探し等を実施 |
お試しテレワーク助成 | 県外在住の社会人が福井に滞在してリモートワークを体験する際、交通費・宿泊費を補助 | 令和7年4月1日~ 令和8年3月15日 |
交通費:上限15,000円程度/回 滞在費:1日あたり1,000円×最大30日 |
県外在住かつ就業中で、7日以上〜最長30日間福井に滞在しテレワーク実施。期間中に県内コワーキング利用等の条件あり |
UIターン奨学金返還支援 | 県内就職者への奨学金返済を支援。福井で働く若者の経済的負担を軽減 | 令和7年度内 (※就職後の一定期間内に申請) |
最大6年間支援 (年間10~20万円、累計最大約100万円) |
新卒等で県内企業に就職し定住する30歳未満の方 |
移住サポート報酬制度 | 移住サポーター等の紹介で新たな移住者が定住した場合、移住者とサポーター双方にご当地デジタル通貨「はぴコイン」1万ポイントを進呈 | 令和6年8月~ (継続実施中) |
移住者:1万pt 紹介者:1万pt (双方に付与) |
令和6年8月1日以降に福井県へ移住した方で、移住後3か月以内に所定の「移住レポート」を提出すること等 |
福井県ならではの移住者支援:ふくい移住パートナー企業制度
福井県では移住者向けに引越し後の生活費負担を軽減するため「ふくい移住パートナー企業制度」というユニークな取り組みを実施しています。
県内の協賛企業(自動車教習所、車販売店、住宅設備、生活サービス業者など)が移住者向けの割引・特典を提供しており、例えば自動車学校の入校金免除や中古車のスタッドレスタイヤ半額などさまざまなメリットがあります。
こうした企業連携により、車取得や運転免許取得といった地方生活に不可欠な費用も抑えられるよう工夫を欠かしません。
福井県移住と仕事・就職事情
移住における仕事探しは、多くの人が気になるポイントです。
福井県の仕事事情は地域や業種によってさまざまですが、製造業や地元企業の求人が充実している傾向にあります。
前述のとおり鯖江市の眼鏡関連産業、越前市周辺の繊維産業、坂井市の機械・金属加工産業など、ものづくり産業が盛んです。
技術職や製造オペレーター、エンジニア系の求人は比較的見つけやすいでしょう。
また、福井県は有効求人倍率が全国平均より高めの水準で推移しており、中小企業中心ですが人手不足感からU・Iターン人材を歓迎する企業も多いです。
一方で、都市部に比べて選べる職種が限られる面もあります。
IT・クリエイティブ系の職種や専門職は求人が少ない傾向ですが、最近では自治体が誘致したIT企業やコールセンター、大手企業の地方拠点なども徐々に増えてきています。
またリモートワークが普及した現在、福井に移住後もテレワークで都市部の仕事を続けるという選択肢も現実的です。
実際、福井県はテレワーク移住を支援する制度(お試しテレワーク助成)を設け、県内コワーキングスペースの整備や受入れにも力を入れています。
つまり、「地元企業に転職する」以外にも在宅勤務で福井に住むという道も開かれてきています。
就職支援策として、福井県は「福井暮らすはたらくサポートセンター」を東京・大阪・京都・名古屋に設置しており、UIターン希望者への求人紹介や企業情報提供を行っています。
また、「UIターン就職者奨励金」など、市町独自に移住者の就職祝い金を出す制度も存在します。
奨学金返還支援も坂井市など複数自治体が実施しており、例えば坂井市では最大6年間・計100万円規模で奨学金の返済を補助しています。
福井県は、農林水産業への就業支援も充実。
福井県公式求人サイト「291JOBS(ふくいジョブズ)」では一般求人のほか農業や地域おこし協力隊の募集情報も掲載されています。
地域おこし協力隊として田舎で活動しながら定住を目指すケースや、UIターンで起業する人への支援もあるんので、仕事探しに不安がある方は、ぜひ早めに福井暮らすはたらくサポートセンターや291JOBSに相談してみましょう。
移住相談員やキャリアコンサルタントが、あなたのスキルに合った地元企業探しをサポートしてくれます。
福井県の移住体験プログラム・お試し移住
「いきなり移住して大丈夫かな?」という不安を解消するには、移住体験プログラムの活用がおすすめです。
福井県や各市町では、短期の「お試し移住住宅」や体験ツアーを提供しており、実際に現地で暮らしてみることでリアルな生活感を掴むことができます。
たとえば小浜市では移住検討者向けに一軒家のお試し体験住宅を用意し、数日~数週間の滞在が可能です。
坂井市では「オーダーメイド型」移住体験ツアーを実施しており、希望者のニーズに合わせて日程や内容をカスタマイズしてくれます。
このツアーでは宿泊費やレンタカー代が無料になる特典もあり、気軽に現地を見て回れると好評です。
自治体によっては、体験施設を常設しているところもあります。
越前町では、海辺の暮らしを試せる古民家「Mohage(モハージュ)」と里山暮らし体験の「laugh-la(ラフーラ)」という2つの施設を用意し、地域住民との交流イベントも交えて移住体験ができます。
おおい町でもお試し住宅を一定期間無料貸出しており、移住前の仕事探しや住まい探しの拠点に活用されています。
このような体験住宅は生活インフラ(家具家電)付きの場合も多く、手ぶらで滞在できるのが魅力です。
福井県自身も、前述の「UIターン就活等交通費助成」制度を利用して移住下見ツアーの交通費支援を行っています。
さらに、前述したお試しテレワーク助成制度を使えば、最長1か月福井に滞在しながらテレワーク生活を送ることもできます。
期間中はコワーキングスペースの利用や地域イベント参加も条件になりますが、滞在費や交通費が補助されるため長めの“お試し移住”が低コストで可能です。
実際に現地に暮らしてみることで、天候や買い物の便、地域の雰囲気など、パンフレットではわからない部分を体感できるでしょう。
各種体験プログラムの情報は「ふくい移住ナビ」内のイベント・体験ページで随時発信されています。週末に開催される現地見学ツアーやオンライン移住体験会などもチェックしてみてください。
福井県の移住支援・相談サービス:福井暮らすはたらくサポートセンター
福井県や市町村には専任の移住相談窓口があり、移住希望者からの問い合わせに親身に対応してくれます。
代表的なのが先述の「福井暮らすはたらくサポートセンター」で、東京(日本橋ふくい館)、大阪、京都、名古屋にサテライトオフィスを構えています。
ここでは福井出身でUターンしたい方だけでなく、Iターン希望者の相談にも応じており、求人紹介や住まい情報、移住全般のアドバイスが無料で受けられます。
電話・メール相談はもちろん、各地の窓口で対面相談も可能なので、「地方移住は初めてで右も左も分からない」という方もまずは気軽にプロに相談してみましょう。
福井県の移住支援・相談サービス:ふくい移住サポーター
福井県は「ふくい移住サポーター」という制度で、民間の移住応援団も育成しています。
移住サポーターとは、県から委嘱を受けた県内在住の有志や団体で、移住希望者の現地案内や情報発信、移住後のフォローまで手助けしてくれる心強い存在です。
2020年に39名・6団体が委嘱され、都市圏での移住セミナー参加やオンライン相談対応など幅広く活動中です。
たとえば「実際の福井の暮らしについて地元の人の話が聞きたい」「○○市の子育て環境を詳しく知りたい」等の際に、こうしたサポーターを紹介してもらえることがあります。
移住希望者とサポーターをマッチングして双方に成果報酬(デジタル通貨ポイント)を付与する仕組みも県が用意し、ネットワークづくりを推進しています。
福井県の移住支援・相談サービス:ふくい移住ナビ
情報収集面では、福井県公式の移住ポータルサイトふくい移住ナビが非常に充実しています。
支援制度一覧や市町の暮らし情報、先輩移住者のインタビューまで網羅されており、移住検討者は必見。
各市町の移住支援策も同サイト内でまとめられており、例えば福井市の住まいるふくい(移住定住サイト)では移住支援金や空き家取得補助など市独自の支援が紹介されています。
福井県の移住支援・相談サービス:福井県定住促進課Instagram
最近はSNS発信も活発で、Instagramの福井県定住促進課アカウントでは「#福井移住」「#福井暮らし」といったハッシュタグとともに日常の風景やイベント情報が投稿されています。
「全47都道府県中幸福度1位の福井へようこそ!」というキャッチフレーズで、福井の魅力を写真付きで発信中です。SNSを通じた移住者同士の繋がりも期待できるため、ぜひチェックしてみてください。
福井県の移住支援・相談サービス:ふるさと回帰フェア
さらに、各地域で移住フェアや相談会も開催されています。例えば毎年秋に東京で開催される「ふるさと回帰フェア」には福井県もブース出展し、県職員や市町担当者に直接相談できます。
2025年も9月に東京で開催され、UIターン希望者やその家族で賑わいました。
このほか大阪や名古屋などでも福井県主催の移住セミナーが行われたり、オンライン移住相談会が定期的に企画されたりしています。
移住・UIターンに関するイベント情報はふくい移住ナビのイベント欄や県公式Instagramで告知されるので、見逃さないようフォローしておくと良いでしょう。
福井県移住でおすすめの市町村5選
ではここからは、福井県の中でも移住先として人気の5つの市町村にスポットを当て、それぞれの特徴や移住支援情報をご紹介します。
移住希望地を選ぶ際の参考にしてください。(※支援制度は令和7年度時点の情報)
福井県移住でおすすめの市町村:美浜町(みはまちょう)
福井県南西部、若狭湾に面した美浜町は、名前の通り「美しい浜辺」が広がる自然豊かな町です。
北は日本海の若狭湾、町内の8割は森林が占め、耳川の清流や三方五湖の一部(久々子湖・日向湖)を有するなど、海・山・川・湖の原風景に恵まれたエリア。
夏は水晶浜海水浴場(日本の水浴場88選)が人気で、透明度の高い海でマリンスポーツも楽しめます。
町内には歴史遺産も点在し、古代より大陸文化が伝来した地として文化的背景も豊かです。
人口約9千人ほどの小さな町ですが、穏やかな漁村・農村の暮らしと、美しい自然に魅了されてUIターンする人が増えています。
美浜町は気候が比較的温暖で、雪も沿岸部では少なめです。
敦賀市に隣接しており、敦賀市街地(JR敦賀駅)へ車で20~30分圏内なので、日常の買い物や病院利用も隣町とあわせて不便はありません。
町内にもスーパーや診療所があり、基本的生活ニーズは満たせます。
海沿いには新鮮な魚介が揚がる漁港があり、移住者が漁業体験をして地域住民と交流する取り組みもあります。
子育て世帯には、保育所や小中学校が少人数できめ細やかな教育が受けられる点が魅力でしょう。
全町民を対象にしたコミュニティバスが運行しており、高校生までは通学定期代を全額助成してくれる制度もあります。
静かな田舎暮らしを送りたい方や海辺の暮らしに憧れる方に美浜町はおすすめです。
美浜町の移住支援
美浜町では県の移住支援金制度を活用できるほか、「ウェルカム美浜空家住まいる支援事業補助金」では、町の空き家バンク登録住宅を購入またはリフォームする際に費用の1/2(上限100万円)を補助。
「ウェルカム美浜空家家賃支援事業補助金」では、空き家バンクから賃貸した住宅の家賃を半額補助(上限2万円/月、最大2年間)してくれます。
このように住宅取得・賃貸の支援が手厚いため、移住当初の住まい確保コストを大きく削減できます。
美浜町は移住者受け入れにも積極的で、役場に移住相談窓口を設置しています。
先輩移住者を「移住サポーター」として紹介してもらえるケースもあり、地域になじむまでのサポート体制も整っています。
伝統行事への参加や、地元特産のへしこ(鯖の糠漬け)づくり体験など、移住者と住民の交流イベントも開催されています。
「自然とともにスローライフを送りたい」「子育てを豊かな自然環境でしたい」という方には、美浜町はまさに理想的な移住先と言えるでしょう。
福井県移住でおすすめの市町村:鯖江市(さばえし)
福井県中央部に位置する鯖江市は、人口約6.8万人を擁する県内有数のものづくりのまちです。
全国シェア約9割を誇る眼鏡フレーム生産をはじめ、北陸の繊維王国を牽引する繊維産業、1500年の歴史を持つ越前漆器の産地としても有名です。
近年はIT産業やデザイン産業の集積にも力を入れ、官民協働のハッカソンやオープンデータの取り組みで「デジタル田園都市」のモデルケースともなっています。
市名は全国的な知名度は高くないものの、メガネ・漆器・繊維という三大地場産業のブランドがあり、ものづくりクリエイターにとって魅力的な土地でしょう。
地理的には福井市の南隣に位置し、電車や車で福井市中心部へ20分程度と都市近接の中堅都市です。
鯖江市は暮らしやすさにも定評があります。市独自の「市民主役条例」を制定し、市民参加型のまちづくりを推進していて、住民の意見が行政に反映されやすい風土です。
医療機関も市内に複数の総合病院があり安心でき、大型商業施設やスーパーも点在しているので普段の買い物も便利です。
福井鉄道・JR北陸本線が通り、公共交通もある程度利用できます。
市街地は、平野部で雪もそれほど極端には積もりません。
自然も身近で、市内の西山公園は「日本海側随一のつつじ名所」として有名な桜・つつじの美しい公園です。
子育て面では待機児童ゼロを継続し、認定こども園や保育施設も充実しています。
市立幼稚園を廃止しこども園化した先進事例でもあり、子育て世帯には心強い環境です。
また、鯖江市は行政と市民の距離が近いため、移住後も意見発信しやすい雰囲気があります。
実際、移住者が地域団体を立ち上げてイベントを企画したり、子育てサロンを自主運営したりといった活動も盛んです。
毎年開催される地域発表会「さばえSDGs推進センター」では、市民や企業によるSDGsの取り組み発表も行われています。
オープンな風土で、チャレンジを応援してくれる町と言えるでしょう。
伝統産業×若者の新しいビジネスも生まれており、ものづくりに情熱がある方や地域貢献志向の方に鯖江はおすすめです。
暮らしやすさランキングでも、上位に挙がるなど注目度も増しています。
鯖江市の移住支援
鯖江市は福井県の移住支援金(東京圏型・全国型)の対象市で、東京圏型なら最大100万円+子育て加算、全国型でも最大25万円+加算が支給されます。
要件として「県外に3年以上在住し就職等を伴う転入」などがありますが、市内就職で支給される点は心強いでしょう。
独自支援として注目なのが、住まいに関する補助制度です。
「住み続けるまちさばえ支援事業」では鯖江市内に10年以上定住する見込みで住宅を取得・改修する子育て世帯等に対し、空き家購入や旧耐震住宅建替え費用の一部を補助しています。
特に三世代同居など多世帯同居を促進する場合は最大105万円の補助が出るなど、家族で腰を据えて暮らす人への支援が手厚いです。
空き家バンク経由で住宅を取得した場合のリフォーム補助も用意され、空き家の有効活用による定住促進を図っています。
福井県移住でおすすめの市町村:池田町(いけだちょう)
福井県東部の山あいに位置する池田町は、豊かな森と清流に囲まれた人口約2,400人の小さな町です。
今立郡に属し、越前市から車で30~40分ほど内陸に入った場所にあります。
手つかずの自然が残る里山で、「名水百選」に選ばれた水が湧き出る笈松峠やキャンプで人気の龍双ヶ滝など見所多数。
農業と林業が主要産業で、お米やお茶、山菜など里山の恵みが豊富です。
池田町は市街地から離れているため車が必須ですが、町中心部には役場や診療所、スーパー、郵便局など最低限の施設が揃います。
小中一貫の町立学校「池田学園」は全校生徒約100名弱という少人数教育で、里山留学制度により県外から子どもだけで長期滞在しながら通学する受け入れも行っており、移住者も含め、地域ぐるみで子どもを育てる風土があります。
交通は福井市方面への路線バスがありますが本数は少なめなので、基本的にマイカーは必須と言えるでしょう。
池田町は「人を呼び込む」取り組みを積極展開中です。毎年夏休みには都市部の子どもたちを受け入れる「ふるさと留学」や体験ツアーを開催し、将来の移住候補者づくりにも余念がありません。
地域おこし協力隊も複数名配置して、農産品開発や観光振興に若い移住者が活躍しています。
便利さよりも豊かな自然とコミュニティの温かさを重視する方、スローライフや自給自足的暮らしにチャレンジしたい方には、池田町での暮らしが人生を豊かにしてくれるはずです。
池田町の移住支援
池田町は小さい自治体ながら、移住定住支援策を独自に講じています。
町役場内に「いけだ暮LASSEL(くらっせる)」という総合相談窓口を開設し、町営住宅や空き家情報、町内求人の紹介などワンストップサービスを提供しています。
町営住宅も多数整備しており、新婚・子育て・高齢者向けなどさまざまなタイプの公営住宅に比較的安価に入居できます。
若者夫婦や子育て世帯向けには新築の町営住宅も用意され、「まずは賃貸で池田に住んでみる」というお試し移住的な利用も歓迎しています。
県の移住支援金対象にもなっており、条件を満たせば単身で最大50万円、世帯100万円の全国型支援金が受けられます(東京圏からのUIターンも対象)。
また、住宅新築や空き家購入に対する助成は今のところ町単独では見当たりませんが、空き家バンクに登録すればリフォーム補助を県の制度で受けることもできます。
福井県移住でおすすめの市町村:坂井市(さかいし)
坂井市は福井県北部に位置し、人口約8.8万人を擁する県内第2の都市です。
2006年に三国町・丸岡町・春江町・坂井町の4町が合併して誕生し、海・山・平野のバランスが取れた広域市です。
有名な景勝地「東尋坊」がある三国エリアは日本海に面し、美しい海岸線と港町の風情があります。
内陸部の丸岡エリアは戦国武将ゆかりの丸岡城や広大な田園地帯が広がり、春江・坂井エリアは福井市に近接したベッドタウン的地域です。
産業は農業(米・らっきょう等)と工業(機械・繊維・化学)が盛んで、特に坂井市丸岡町は世界一の眼鏡レンズメーカーの本社所在地として知られます。
また、坂井市は2025年の「福井県版住みここちランキング」で第3位に選ばれており、居住満足度の高さがPRされています。
坂井市は自然が身近でありながら、都市機能も享受できる点が魅力です。
車で福井市中心部まで30~40分、隣接するあわら市には温泉街もあります。
買い物は各地区にスーパー・ドラッグストア等が点在し、日常生活に困ることはありません。
医療機関も市内に総合病院があり安心。子育て環境としては市内各所に児童館や子育て支援センターが整備され、「3人乗り電動自転車の購入補助」「おむつ用品支給」など独自の子育て支援も行っています。
交通はJR北陸本線が春江~丸岡を通り、えちぜん鉄道が三国エリアを走っています。
市街地間の移動は車が主ですが、道路網が発達しているので平坦で移動しやすいです。
冬は沿岸部は雪少なめ、内陸も積もっても除雪が早いため生活への影響は比較的限定的。
海水浴・スキー・温泉とレジャーも豊富で、アウトドア好きファミリーにはたまらない環境でしょう。
坂井市は移住定住促進に本腰を入れており、市役所内に専任の移住相談員が配置されています。
先輩移住者で構成する坂井暮らしサポーターがイベントで体験談を話したり、希望に応じて移住検討者を案内したりもしています。
オーダーメイド型移住体験ツアーは坂井市ならではのサービスで、例えば「子連れで保育園を見学したい」「農業を体験したい」など個別希望に沿ったプランを提案。
こうした柔軟できめ細かな対応から、移住希望者の評価も高く、前述の住みここち調査でもランクインした要因になっているのでしょう。
坂井市の移住支援
坂井市は、福井県内でも屈指の支援制度充実度を誇ります。
まず移住支援金(東京圏型:世帯100万円/単身60万円、全国型:世帯15万円/単身10万円)を実施し、条件として県外在住3年以上・18~49歳で市内就職などを求めています。
さらに、坂井市独自で多彩な奨励金・補助金を用意しています。
注目は定住促進奨学金返還支援事業で、30歳未満で坂井市に新規就職し定住する方に対し、奨学金返済を最長6年間・総額最大100万円補助。
毎年20万円(初年度と最終年は10万円)を支給する仕組みで、若者の地元定着を強力に後押ししています。
また、UIJターン就職者奨励金として、県外から1年以上ぶりに転入し市内中小企業に勤務した方に10万円のお祝い金も支給。
移住後に仕事を継続して6か月以上経てばOKという条件で、比較的ハードルは低めです。
住宅支援も幅広く、坂井市空き家バンク経由で物件取得・改修する場合の補助が手厚いです。
空家取得支援事業では空き家バンク登録物件の購入費用に対し上限100万円補助、「空家改修支援事業」でも購入または賃借した空き家のリフォーム費を上限100万円補助します。
さらに、空き家バンク物件を借りて定住する場合、家賃の1/2(上限2万円/月)を最大1年間補助する「空家活用定住支援事業」もあります。
このように住まい確保への経済支援が非常に充実しており、移住者にとって坂井市は住み始めのハードルが低いと言えるでしょう。
福井県移住でおすすめの市町村:高浜町(たかはまちょう)
福井県南端の若狭地方にある高浜町は、関西圏にも近い海辺の町。
人口約10,000人で大飯郡に属し、京都府との県境に位置する高浜町最大の魅力は、何と言っても美しい海と浜辺です。
若狭和田ビーチは日本で初めて国際環境認証「ブルーフラッグ」を取得した海水浴場として有名で、白砂青松の絶景が広がります。
夏は海水浴客やマリンスポーツ客で賑わう一方、町全体はのんびりした漁師町・農村の雰囲気です。
産業は若狭湾沿岸部に高浜発電所(原子力)が立地し、その関連事業や漁業・観光が中心となっています。
町のシンボルキャラクターはミルキーウェイ(天の川)をモチーフにしており、「星のふるさと」として星空観察イベントなども盛んです。
都会にはない海と星空のある暮らしを求める人に、高浜町は魅力的でしょう。
高浜町は京都府舞鶴市まで車で約30分、大阪からでも高速利用で2時間程度と関西方面からのアクセスが比較的良好です。
町内はJR小浜線が通り、主要集落に駅があります。日常の買い物は町内のスーパーや道の駅で済ませられますが、大型商業施設はないため隣の舞鶴市や小浜市に出ることも多いようです。
医療は町立病院と診療所があり、緊急時は舞鶴市などの大病院と連携しています。
教育面では保育所や小中学校が揃い、子育て支援センターも設置。移住者向けには町営住宅を優先入居できる制度もあります。
冬は雪は少なめですが風が強く、海沿いは塩害対策が必要なことも。車は一家に一台以上用意しましょう。
総じて、海の幸と緩やかな時間が流れる高浜町は、リゾート地に住む感覚に近いかもしれません。
夏の観光シーズン以外は静かで、観光地に暮らす贅沢を味わえるでしょう。
高浜町はUIターン相談にも積極的で、担当窓口に問い合わせれば現地案内やお試し住宅の案内も行っています。
観光資源の豊富さから観光業での起業チャンスもあり、民宿やカフェを始める移住者も少なくありません。
「海の見える暮らし」に加えて、都会近郊からのアクセスメリットがある点も高浜町の強みです。
週末は大阪方面から友人を呼んでBBQ、平日はテレワークで仕事、そんなワークライフバランスも叶えられるでしょう。
高浜町の移住支援
高浜町も県の移住支援金対象地域で、東京圏型100万円/60万円、全国型50万円/30万円の支援金が用意されています。
独自支援では住宅リフォーム補助が特徴的です。「空き家リフォーム支援事業補助金」では空き家の改修費用を2分の1補助(上限100万円)、さらに不要物の撤去処分費も上限10万円まで補助されます。
古い空き家を購入して自分好みにリノベーションしたい移住者には嬉しい制度です。
また、空き家・土地情報や移住者向け情報をウェブサイト「ピン!ト(pinto)」で発信しています。
このサイトでは、高浜町で活躍する人々の暮らしぶりやイベント情報も掲載され、移住検討者がリアルな町の姿を知ることができます。
幸福度全国トップクラスの福井県で移住ライフを
「幸福度全国トップクラス」の謳い文句は伊達ではなく、実際に令和6年度は過去最多1,367人もの方が県外から福井へU・Iターンし、新しい福井県民「新ふくい人」となりました。
その約7割がIターン世帯であり、関西圏など都市部からの移住者が特に増えています。
支援制度を上手に活用し、まずは情報収集や現地体験から始めてみてください。
福井県は、温かな人々と豊かな自然環境を用意してあなたを待っています。