ばんえい競馬の引退馬を林業で再雇用! 馬を使った古くて新しい林業に挑戦!
株式会社柳沢林業は北海道ばんえい競馬の競走馬を買い取り、馬を使った林業である馬搬の復活を目指という、ちょっと変わった取り組みに挑戦しています。
馬搬は馬の力を動力とし、馬方が先導して山から木材を搬出する、人馬が協働する昔ながらの林業手法。この馬搬を通じて信州・松本平の里山の活性させていく活動を「山と馬プロジェクト」として展開するのです。
「山と馬プロジェクト」への支援を広く呼びかけ
株式会社柳沢林業と株式会社4CYCLEは、A-port朝日新聞クラウドファンディングを通じて「山と馬プロジェクト」への支援を広く呼びかけました。このような活動が広く仕事として、浸透できるように、と社会にむけたチャレンジプロジェクトなのです。
馬搬は現在、北海道や東北北部を中心にわずかな林業家によって行われています。青森県八戸市では台風被害を受けた種差海岸の美しさを取り戻すため、倒木を重機を使わずに馬搬によって運び出すなど、自然環境にやさしい林業の輪が広がっています。
プロジェクトに取り組む株式会社柳沢林業とは?
「信州・松本平の豊かな風景をつくる」を社是とし、従来の林業という枠を飛び出して、様々な業種の方々と共に進めていく山から広がる環を大切にする林業会社が株式会社柳沢林業。
代表の原 薫(はら かおる)さんは川崎市生まれ。筑波大学卒後、木挽き職人の手記をきっかけに林業への道へ。2016年、全国の農山漁村地域の次世代リーダーに贈られる「農山漁村男女共同参画優良活動表彰」の最高賞・農林水産大臣賞を受賞しています。今回のクラウドファンディングの成功は、全国の林業を勇気付ける取組にもなっていくと確信しています。そしてプロジェクトのパートナーである株式会社4CYCLEは、多様なコミュニケーション戦略の企画立案と実現を行う会社。このプロジェクトのほか、観光による地域活力向上を目指す「雪国観光圏事業ブランディング支援」、和歌山県紀伊半島南端を鉄道で巡るアートイベント「紀の国トレイナート」などのプロジェクトに関わっているのです。株式会社4CYCLEは2016年に、カンボジアでの養蚕プロジェクト「エリシルクプロジェクト」でグッドデザインを受賞しています。
「山と馬プロジェクト」の概要
通常、馬の寿命は約30歳と言われますが、北海道ばんえい競馬の競走馬の多くは10歳前後でその使命を終えてしまい、その後畜肉に回る馬も多くいます。
今回のクラウドファンディングでは、ばんえい競馬の引退馬ヤマトを購入し、林業の現場で働く馬として再調教。ヤマトは働き盛りの11歳、体重1.5トンでかつてばんえい競馬で優勝経験もある馬です。
またこのプロジェクトでは馬の調教だけではなく、森の中でヤマトを自在に操るヒトの育成も行います。
馬搬は地域の文化継承、環境負荷の低減、小規模な伐採、急斜面での搬出の有利性、機械とは異なりローコスト等見直す点が多く、近年は全国各地に馬搬への取組が見直されはじめているのです。
クラウドファンディング実施期間 2017年5月8日23:59まで
目標金額 5,000,000円
「山と馬プロジェクト」の展望
馬搬を行う信州・松本平は人家にほど近い場所に森が広がっているため、重機を使った木材搬出が難しい地形の場所が数多く存在します。 また重機を通す作業道を開けるには大きなコストがかかるため、小さな現場である場合には尚のこと開通に踏み切れないという事情があるのです。
馬搬は大規模な作業道を必要としないので、道を作るコストが掛からず低コストかつ環境にも優しい林業が可能となるのです。今後は馬を使って田畑を耕す『馬耕』、上質な肥料である馬糞の活用など、里山の農業の活性も視野に入れています。
またヤマト購入後は馬搬によって搬出したカラマツを中心とする木材を「馬搬材」として木材及び木製品の販売。馬耕による農作物販売の他、ヤマトの乗馬体験やホースセラピーなどヤマトが山に入ることで従来にない、新しい林業が展開。
「人馬が共に働く新たな里山づくり」がテーマ
人馬が共に働く新たな里山づくりの実現に向かって支援の輪を拡げていきたいとする株式会社柳沢林業の取り組み。