犬連れキャンパーにインタビュー
今回は、ポメラニアンと6年以上キャンプを楽しむスズキさん夫妻に、犬連れキャンプを楽しむコツや初心者が注意すべきポイントを伺いました。
犬を飼いはじめたきっかけから犬連れキャンプ中にひやりとしたエピソードまで、”犬連れキャンプのリアル”をインタビュー形式でお届けします。
ー犬を飼いはじめたきっかけを教えてください。
実家で猫・リス・ウサギなどを飼っていたので、幼い頃から動物と一緒に生活するのが当たり前だったんです。
犬の中だとポメラニアンのあのモフモフでかわいいフォルムが大好きなので、結婚してからお互い漠然と「ポメラニアンをいつか飼えたらいいな」とぼんやり思っていて。
近所のペットショップでたまたま一匹目の愛犬・てんいちと出会って、速攻で一緒に暮らすことを決めました。
てんいちくん、一蘭ちゃんとの出会い
今ではおとなしくなりましたが、うちに来たときのてんいちは結構暴れん坊だったんです。
ネットでしつけのコツを調べてみたり本を読んでみたり色々試行錯誤したものの、最終的にはドッグトレーナーさんにお願いしてしつけ方を教えていただきました。
猫を飼った経験はあっても犬を飼うのははじめてだったので、手探りでしつけをするよりプロに教えてもらうほうが安心かなと。
ただ、しつけの訓練を受けるのは犬ではなく、あくまで飼い主という心持ちが大切ですね。
結局、てんいちと一緒に過ごす中でポメラニアンの魅力にメロメロになってしまい、「1匹より2匹の方が見てて楽しいし、てんいちも遊び相手がほしいはず」という理由で2匹目の一蘭を迎えました。
てんいちはオスで一蘭はメスということもありますが、同じ犬種でも性格が全然違っておもしろいんですよね。
てんいちは人間、大型犬、小型問わずフレンドリーに接するタイプで、一蘭は構わないと拗ねるけど意外とあっさりしている部分もある、自由気ままな女王様タイプです。
末っ子・たんじろうくんをお迎えした理由
てんいちと一蘭を飼ってからも、ペットショップには結構足を運んでいて。そこでたまたま他の子に抱っこされてるたんじろうを見て、「とられちゃう!」って思ったんです。(笑)
めずらしいカラーと愛くるしい表情に一目惚れしてしまって、その日のうちに家族に迎え入れることを決めました。
たんじろうはまだ子犬なのでとにかくヤンチャで元気いっぱいですが、これからどんな風に成長していくのか楽しみですね。
ー犬連れキャンプに行くときの移動手段は?
毎回ほぼ車移動ですね。今はBMWのX3に乗っていますが、見た目より室内を広々と使えるので気に入っています。
四駆なので砂利やぬかるみが多い道でも走りやすいですし、ルーフボックスやラゲージルームに荷物をたくさん収納できるので、犬連れキャンプにぴったり。
犬連れキャンプの移動というエピソードだと、愛犬と一緒にフェリー「さんふらわあ」にも乗ったことがあります。
さんふらわあのウィズペットルームはフェリーでの移動中も部屋の中で過ごすことができ、ペットも飼い主ものびのびとした船旅を楽しめるのでおすすめです。
ー犬連れでキャンプに行くとき、何を基準にして場所を選びますか?
まずは自分たちが海に行きたいか、山に行きたいか、何を食べたいかを考えて目的地を決めます。
目的地の近くに犬連れOKのキャンプ場があるかを調べて、Googleの口コミがいい施設を予約することが多いかもしれません。
あと、犬好きな友人のInstagramに投稿された写真を見て、いいなと思ったら遊びに行くこともあります。
最近ではペットと一緒に楽しめるグランピングも増えていますが、私たちはあくまでキャンプが好きですね。ちょっと苦労したいというか、あえて便利すぎない環境で遊んでリフレッシュしたいという気持ちがあるのかも。
ー今までペットと一緒に行った中で、一番遠いキャンプ場はどこですか?
覚えている中で一番遠かったのは北海道のニセコサヒナキャンプ場ですかね。ポメラニアンは結構寒さに強い犬種なので、雪の中を大喜びで走り回っていて可愛かったです。
特にアウトドア派の一蘭は自然の景色や動物を見るのが好きなので、牛や羊、キツネを見て興奮していました。
3匹の中で一番年下のたんじろうは今日(取材日)がはじめてのキャンプデビューだったのですが、怯える素振りもなく楽しんでいたのでこれからいろんな場所に連れていってあげたいなと思います。
ー犬連れキャンプの魅力(醍醐味)とは?
ふだんの生活の中では散歩のときくらいしか外に出て歩き回る機会がないので、自然の中で犬がのびのびと遊んでいる姿を見ると「連れてきてよかったな」と嬉しくなります。
あと、犬によって好みのアウトドアって違うと思うんです。川や滝など水辺で遊ぶのが好きな子もいるし、芝生の上で走り回ったり虫や鳥を見たりするのが好きな子もいる。
犬連れキャンプは回数を重ねるごと愛犬の好きなスポットがわかってくると思うので、最初のうちは少しずつ雰囲気の違う場所を選んで行くのも楽しいんじゃないでしょうか。
そのほかにも、同じ犬連れキャンパーさんと直接交流ができるのも犬連れキャンプの醍醐味かなと思います。キャンプ場で仲良くなった人と「あそこのキャンプ場よかったよ!」「今度こんなキャンプ場がオープンするらしいよ」なんて情報交換ができるのも嬉しいですね。
ー犬連れキャンプを楽しむために注意している点はありますか?
とにかく”しつけ”ですね。キャンプ場に限らずふだんの生活の中でも周りの人に迷惑をかけないために、吠えないようしつけを徹底しています。
特に夜は周りの人が寝ているので、静かにしないといけません。
キャンプ場で興奮してしまうとつい吠えてしまったり暴れてしまったりする子も多いので、まずはデイキャンプで様子を見て大丈夫そうなら泊まりでキャンプに挑戦するなど、段階を踏むのがおすすめです。
あとは、野生動物との遭遇に気をつけること。タヌキやハクビシンと接触すると感染症にかかる可能性もありますし、毒を持つヘビやカエルなどもいるので、絶対に目を離さないよう気をつけています。
ー犬連れキャンプでひやっとした出来事はありますか?
てんいちがキャンプ場の柵をすり抜けてサイトを脱出してしまったときは焦りましたね。
すぐに気づいて追いかけたので大きなトラブルには発展しなかったのですが、ちょっとでも気づくのが遅れていたら迷子になったり事故にあったりしていたかもしれません。
あとは焚き火に近づいてヤケドしそうになったり、キャンプ場の落とした食べ物や残り物を食べてしまいそうになったりしたときもひやっとしました。
動物好きな一蘭が、小鳥を追いかけて斜面をすごいスピードで走り抜けてしまったこともありました。
呼んだらすぐに戻ってきたのですが、しつけの大切さを改めて実感した出来事です。
ー犬連れキャンプに欠かせない持ち物を教えてください。
犬は体温調節が苦手なので、犬用のネッククーラーなどの”冷やすもの”、ブランケットなどの”あたためるもの”、タオルなどの”拭くもの”は欠かせません。
あとは、水を飲むためのウォーターボールやおもちゃも必ず持っていきます。
特におむつやごはんは、こんな風に箱の中にひとまとめにして持ち運ぶとすぐに取り出せて便利ですよ。ペットシーツはペグを拭くのにも使えます。
ー犬連れキャンプに挑戦したい人へメッセージをお願いします!
犬連れのキャンプは、必ずしつけをしてからデビューすることが大切。特に呼び戻しは絶対覚えさせるべきです。
十分にしつけられていない状態で犬とキャンプをすると周りの人の迷惑になって肩身が狭いだけでなく、振り回されて飼い主も疲れてしまいます。
性格的にアウトドアが苦手な犬もいるので、犬連れキャンプ前にドッグランなどでどういう行動するかをチェックしておくと、より安心して楽しめるのではないでしょうか。
キャンプサイトの設営的な観点で言うと、犬用のコットやテントを設置して犬が安心できる場所をつくることも重要かなと。キャンプ場が安全ということを理解すれば、自然と犬がアウトドアに慣れてきます。
あとはキャンプ場にいる人が全員犬好きばかりじゃないことを頭に置いて、周りの人への配慮も忘れずに。
周りに迷惑をかけず犬と飼い主がのびのびとキャンプを楽しむためにはとにかくしつけが大切だと思うので、十分にしつけを行った状態で犬連れキャンプに挑戦してみてください。
取材に協力してくれたワンちゃんのプロフィール
・てんいちくん
フレンドリーで人間にもワンちゃんにも慣れている大食漢な7歳の♂ポメラニアン。
一蘭ちゃんやたんじろうくんなどの二匹をあたたかく見守る、長男らしい一面も。
・一蘭ちゃん
アジリティ競技会にも出場経験があり、運動神経抜群な6歳♀ポメラニアン。
構わないとじーっと視線でアピールしてくる、華やか美人な女王様。
・たんじろうくん
とにかくヤンチャで人懐っこい、生後5か月の♂ポメラニアン。
暴れん坊すぎて骨折してしまったそうで撮影時はギブスを着用していました。
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