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【沖永良部島】島暮らしの魅力に迫る!現地滞在から見えたリアルな生活とは?

沖永良部島ってどんな島?

沖永良部島は沖縄の北東側に位置する鹿児島県の島です。奄美大島よりも南に位置しており、気候は亜熱帯。東京では見ることができない植物があり、独自の自然美を誇ります。東洋一と謳われている鍾乳洞や昇竜洞、フーチャと呼ばれる潮吹き洞窟など、他の観光地ではなかなか体感することのできないダイナミックな自然が今も残されています。

沖永良部島はダイビングスポットとしても知られています。野生のクジラと一緒に泳ぐことができる「クジラスイム」は、ここでしか体験できない貴重なツアーでしょう。

筆者はこの沖永良部島に、8年ほど前にテレビ取材のため滞在しました。アスファルトやビルに囲まれた都会暮らしとは正反対の、土と緑、そして海に囲まれた島の自然に、これまで感じたことのない解放感を覚えた記憶があります。

今回は、筆者が実体験を通して感じた島暮らしの魅力を、さまざまなポイントから深堀りしていきたいと思います。

日差しが強い!体当たりの島暮らし

国産コーヒーを生産している農場の取材で沖永良部島に長期滞在することになった筆者。それまでネパール取材での青空トイレ体験やプレハブ宿での雑魚寝体験など、なかなかタフな経験をしてきたつもりでした。

そんな筆者も、沖永良部島の自然の荘厳さには感服しました。

高いビルが一つもなく、とにかく空が広く見えることが爽快でした。

また、とにかく日差しが強かったのが印象に残っています。お化粧をしていっても汗ですべて流され、撮影開始から1時間もたたないうちにすっぴん状態に。キャップでは日差しがきちんと防げず、麦わら帽子を現地で購入した記憶があります。露出している腕や首、足の甲などがじりじり焼かれているのがわかるほどでした。

都会ではそれほど日焼けせずに過ごすことができますが、沖永良部島では容赦なく太陽光が降り注ぎ、人間はその光を全身に浴び続けることに。アスファルトの照り返しによる暑さではなく、太陽光の強さによる「暑さ」を体感し、体力の消耗度がこれほどまで早いのかと感じたことを覚えています。

大自然の中での暮らしは、人工物による甘えが許されない、まさに体当たりの暮らしであるといえるのではないでしょうか。

地元の飯屋では家庭的な味わいにほっこり

実は伊勢海老がよく獲れるようで、町の食事処に行くとごく当たり前のように伊勢海老のメニューが掲載されています。伊勢海老のおみそ汁など、豪快かつ贅沢なメニューももちろん味わったのですが、筆者が特に印象に残っているのは「煮魚」でした。

甘辛く煮つけられた白身魚は、近くの海で釣った魚とのこと。白いご飯によく合う飾らない味わいは、古き良き日本の食事そのもの。日中の疲れも吹き飛んで、ホッと安心感を覚えました。

各食事処では海鮮が多く使われていましたが、日常的に島で食べられているものをメニューに載せた、といった素朴な雰囲気も、筆者は好みでした。

一般的な観光地をイメージしていくと、少しローカル色が濃いかもしれません。もちろん観光地としてもおすすめではありますが、1週間以上滞在してゆったりと過ごすことに適しているかもしれません。

島独特の贅沢な生態系

滞在中のある日に筆者が出会った、野良猫と野良鶏の集会の風景。野良猫の品種はシャムネコ、野良鶏の品種は沖縄県在来鶏のウタイチャーン、という何とも独特な組み合わせでした。

島の野良猫すべてがシャムネコというわけではないようなのですが、優雅なイメージのシャムネコが、日本画で描かれているような立派なトサカに黒い羽根という鶏と交流している風景に、非常に驚き興奮しました。

島という、ある意味で閉鎖的な環境下は、独自の生態系を育みやすいのだろうと感じました。人間の姿を見ると一瞬で走り去ってしまう都会の野良猫たちと違い、我々の存在に気づくとじっと様子をうかがう沖永良部島の野良猫たち。そのような野良猫たちの姿から、この島で暮らす人々はほかの生き物の営みを邪魔せずに暮らしているのだろう、ということを筆者は感じました。

また、他にも貴重な生き物にも出会いました。ウミガメです。産卵シーズンではなかったため砂浜で見ることは叶いませんでしたが、フーチャという潮吹き洞窟からの眺望で、泳ぐウミガメに出会えました。

ウミガメは海底ではコケを食べており、数分に一度、息継ぎのため海面に顔を出します。黒い影が海面に上がってくるなと思って目を見張っていると、そのうちにウミガメがかわいらしい顔をちょこんとのぞかせるのです。

ちなみに上記の洞窟は、ウミガメを見に地元の方もよく遊びに来るスポットとのこと。筆者が訪れた時もちょうど家族連れの方々がウミガメを見に来ていて、一緒に歓声をあげて喜んだ記憶があります。

”タラソ”で日に焼けた肌をいたわる

塩分を含む温泉と肌の相性が良い筆者は、地元住民の交流の場と化している「タラソおきのえらぶ」にも数回通いました。

島の住民の方が強くおすすめするスポットだったので足を運んだところ、さまざまなジャグジーが備え付けられており、指示される方向通りに歩くとすべての種類のジャグジーが体験できるという遊び心満載のスポットでした。温泉プールを思い出す、少しぬるめのお湯が心地良かったです。

地元の方に日常的に使われている「公共温泉」といった雰囲気で、畑仕事をしたあとタラソで汗を流すのが日課という地元の人もいたほど。こちらも観光スポットというよりは地元の方と混ざって汗を流すイメージで、気負わずに通える癒し場です。

島暮らし ステップを踏んで移住先候補へ

1週間以上の滞在で感じた、沖永良部島の魅力をご紹介しました。

食事処や温水プールなどが、観光目的でつくられたわけではなく、地元の人が日常的に利用する憩いの場であったところが、非常に印象的でした。そのほか、フーチャなどは公園に足を運ぶ感覚で行けましたし、身近なところで独特の自然を感じ取ることもできます。

この記事を読んで島暮らしに興味を持たれた方は、まずは気になった島を調べて、長期滞在から体験してみることをおすすめします。島暮らしの良いところのほか、苦労ポイントまで体験した上で”ここで暮らしたい!”と感じたら、次のステップとして移住活動に移られてみてはいかがでしょうか。

写真提供/おきのえらぶ島観光協会
文/鈴木香里
【PROFILE/鈴木香里】
元テレビディレクター。現在は地方創生系、観光系の記事を中心に執筆するライターです。地域の魅力を発掘し、お伝えする記事を発信していきたいです。

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