仙台市は都会と田舎を楽しめる地方都市
地方への移住というと、どこまでも続く田んぼや、街灯のない山の中での生活を想像する方も多いと思います。東京や大阪などの都心部からいきなりど田舎への移住は、不便さを楽しめる方にはいいですが、住環境の利便性も捨てがたいという方にはあまりオススメできません。
それを考えると、仙台などの地方都市は「適度な都会、適度な田舎」を楽しむのに最適な場所だと言えます。実際に筆者がUターンをして生活してみた、仙台の魅力をお伝えします。
街中でも自然を感じる「杜の都仙台」の魅力
仙台は別名「杜の都」とも呼ばれ、街中の街路樹にはたくさんの木々が並びます。春はケヤキの新緑、秋はイチョウの紅葉など季節ごとに変化する様子を楽しむことができます。
さらに、12月には市内の街路樹にたくさんの電球が飾られる「光のページェント」というイベントが楽しめます。このような街路樹が並ぶ街の中心部は、休日になるとショッピングをしたり、気のおけない仲間と食事をしたりと、たくさんの仙台市民が集う場所になっています。
仙台市民は、この中心エリアの繁華街のことを「街（まち）」と呼びます。友人と待ち合わせをする際や、会う約束をするときなど「街で会おう」「街に行こう」と、表現するのです。
大きな繁華街が仙台駅周辺の1箇所にしかない、仙台ならではの表現方法ですね。
仙台ならでは？ ゆっくりのんびりとした話し方
東北地方には、「ズーズー弁」と呼ばれる方言があります。今では話す人も少なくなってきていますが、おじいちゃんおばあちゃん世代の方々同士の会話は地元出身の私でも、聞きとりにくいほどです。
とは言え、若い世代の人達の中でも、そうだねという同意の相槌である「だから」や、居心地が悪いやしっくりこないという意味の「いずい」というような言葉はよく使われています。
そして何よりも、東海地方、関東地方、東北地方と移り住んできた筆者が感じるのは、仙台の人は話し方が非常にゆっくりだということ。のんびりゆっくり、優しく話す人が多いように感じます。
東京暮らしだった頃に地元に帰省したとき、コンビニやスーパーの店員さんのゆっくりとした話し方を聞いて「あぁ、地元に帰ってきたな」と感じたものです。
夏でも涼しく快適に過ごせる気候
近年温暖化の影響で日本の夏は、年々暑くなってきていると言われています。
お隣の山形県では、盆地の影響もあり最高気温が40度近くになる日も多いのですが、宮城県では熱帯夜になるような暑さの日はそれほど多くありません。激しい夏の暑さを感じる期間は、1〜2週間ほどです。
暑い夏が苦手だという方には、非常にオススメな過ごしやすい気候の土地ですよ。
冬でも雪の量はそれほど多くなく快適
東北地方といえば全国でも有数の豪雪地帯というイメージもありますが、仙台は雪道の運転に慣れていない方でも比較的暮らしやすい場所だと言えます。
うっすら雪景色になる日もありますが、昼過ぎには溶けてしまうことがほとんどです。初雪は11月末から12月初旬頃、雪のピークは1月下旬から2月上旬頃。5cm以上の雪が積もる日は年に数回程度です。
もちろん中心部から離れた山間部に近い場所では積雪量も多いので、ウィンタースポーツを楽しみたい方にも十分です。
自然遊びが豊富にできる
仙台の中心部から車で20〜30分ほど行くと、山や海、川など自然遊びの宝庫です。広々とした公園や、キャンプ場、アスレチック施設など、週末の自然遊びには困りません。
車が必須ではありますが、都会の中よりも自然の中で休日を過ごしたいという方には、最高の環境ですよ。
ゆっくり流れる時間と広い空、四季を感じることができるのが地方都市の魅力
仙台は広い平野というよりも、起伏のある土地の中に家々が並んでいる場所が多い地域です。小高い丘に登ると、遠くに水平線が広がり、時折通る船が見えることもあります。
住む場所によっては、日の出前の水平線の輝く様子が見えたり、朝焼けや夕焼けが空に広がる様子が見えたりして、癒されますよ。
”仙台は都会”という印象の地域は、仙台駅を中心とした約1kmほどです。車で15分ほど行くと、山や川、田んぼや畑のある風景を見ることができます。
仙台が都会か、田舎かという疑問に対する答えは、住む場所によって印象が少し違うかもしれません。しかし、便利な田舎を求めている方には、最適な住環境だとおすすめできそうです。
【PROFILE／さとう あい】
宮城県仙台市在住の料理家。料理教室の運営や、レシピ提案などのフードコーディネーター業をする傍ら、ライターとしても活動中。やんちゃ盛りの2児の母であり、子どもと海や川、山などアウトドアへ出かけ、休日は自然の中で遊ぶのが日課。
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