週末は子どもと一緒に川遊びに出かけよう!
夏に限らず四季を通して楽しめる、川遊び。この週末は子どもと一緒に川へ出かけてみませんか。
ひと口に「川」といっても様々な種類の川があります。車を駐車して遊べる河川敷や、川遊びができるよう整備されたキャンプ場、近所の小川など、その川によって遊べることも変わってきます。
「どんな遊びがしたいのか」で行きたい川を決めるのもいいでしょう。また、「行きたい川を決めて」から、どんな遊びができるのかを考えてみるのもいいでしょう。
まずは川遊びにむけて、家族で計画を立ててみてください。
川遊び、と言うと、真っ先に「釣り」を思い浮かべる方もいるかもしれません。でも川はどこでも魚を釣っていいようにはできていません。
河川は漁業協同組合で管理されていることが多く、魚を釣るには遊漁券が必要になることもあります。特に魚がたくさんいる、大きい川がそうですね。
時期によっては禁漁だったり、魚の種類によって釣ってはいけなかったり、細かいルールが定められています。
川で釣りをしよう、という方は一度きりのレジャーであっても、事前に「釣りをしてもいい川なのか」を調べるようにしましょう。
今回は、釣り以外で楽しめる川遊びをご紹介したいと思います。
川遊びに必要な持ち物を準備しよう
川で遊ぶために必要な服装、持ち物などを確認していきましょう。
・服装
季節や気候、川に入るか入らないかによっても、服装は変わってきます。水遊びを楽しみたいときは、濡れてもいい服装を選びましょう。
夏であっても、日よけ、虫よけ、風よけになる上着は忘れずに。突然天候が変わった時にも役立ちます。もちろん、着替えやタオルも忘れないでくださいね。
足下は水に濡れてもいいスニーカー、ウォーターシューズ、しっかりと足をホールドできるサンダルなどがいいでしょう。
ビーチサンダルは脱げるとすぐに流されてしまうので、おすすめできません。
日差しの強い時期は、帽子も必要になります。
<必要な持ち物1>
・着替え
・タオル
・上着
・帽子
・スニーカー、ウォーターシューズ、サンダルなど
・その他(食べ物飲み物など、状況にあわせて必要なもの)
・道具
魚をとるための網、とった生きものを観察するためのプラケースはぜひ持って行きましょう。虫眼鏡もあると楽しいです。
水中をのぞける箱眼鏡なども、とても楽しめるアイテムですのでおすすめです。
魚網はホームセンターや釣具屋さん、100均でも売っています。網の形は丸いものと、上が平らなものがありますが、金属で補強されている平らなほうが丈夫なつくりになっています。
それでも引っかけて破くことはあるので、はじめて購入される場合は100均のものでもいいかもしれません。
水際の茂みなどをガサガサしたいときは、「ザコネット」と呼ばれている三角の網を選ぶといいでしょう。水生昆虫などをとるのにも向いています。
<必要な持ち物2>
・魚網(子どもが使いやすいもの)
・飼育ケース(プラケース)、バケツ、虫かごなど
・虫眼鏡や箱眼鏡など、プラスアルファで楽しめそうなアイテム
・安全のための装備
底が簡単に見えるごく浅い小川で、流れがほとんどない場所でしたらライフジャケットは不要でしょう。
ただし、浅い場所であっても流れがある場合は、ライフジャケットを着用することを強くおすすめします。
見た目では分からなくても、いきなり流れが速くなっている場所や、深くなっている場所があるのが川です。万が一を考えて、子どもの安全装備は万全にしておきたいですね。
また、川遊びに限ったことではありませんが、野外での活動には救急セットが必須です。
何を持って行ったらいいかよく分からない、という方は「ファーストエイドキット」「救急セット」など、一式揃ったものを購入すると便利です。火を使う場合は、火傷の薬も入れておきましょう。
もちろん、自宅の救急箱から必要なものを持って行く形でも大丈夫です。
時期によっては、虫よけスプレーや虫さされの薬なども用意しましょう。野外にはハチやヘビなど、ふだん生活している中ではあまり出会わない危険も潜んでいます。
アオダイショウなどは無毒ですが、水辺にはマムシなどの毒蛇もいます。ハチや毛虫などの毒虫もいます。
そういった毒のある生きものに刺されたり、噛まれたりしたときのために、ポイズンリムーバーを携帯することをおすすめします。
ポイズンリムーバーは、毒の応急処置のためにとても優秀なアイテムです。患部にあてて吸引することで毒を吸い出し、症状の悪化を防ぐものです。
すぐ近くに病院がない、野外での活動の際には携帯していると安心です。
<安全のための持ち物>
・ライフジャケット
・救急セット
・虫よけ、虫刺されの薬
・ポイズンリムーバー
・あると便利なもの
サンシェードやタープなど、日よけや荷物置き場として使えるものがあると便利です。
ワンタッチの簡易テントなど、着替えの場所として手軽に使えるものもあります。必要にあわせて用意しましょう。
そしてもうひとつ携帯をおすすめしたいのが、ポケット図鑑です。水辺の生きものが載っている図鑑を持って行き、ぜひ子どもたちと、見つけた生きものや植物を調べてみて下さい。
<あると良い持ち物>
・サンシェードやタープ、テントなど
・ポケット図鑑(水辺の生きものや昆虫、野鳥などの種類がおすすめ)
思いきり川で遊ぼう! おすすめの遊びは「自然観察」
川遊びにも色々ありますが、イチオシは「自然観察」です。もちろん、堅苦しい授業ではありません。泳いでいても、網で生きものを捕まえても、岸で石を拾っても、それらはすべて自然観察の延長です。
川辺に集まる生きものをはじめ、空を見上げてもいつもとは違う自然を発見できるはずです。
石をひっくり返したり、草むらを網ですくったり、工夫して生きものを探してみてください。捕まえた生きものは、バケツに入れるよりも、フタ付きの透明な飼育ケースに入れたほうが観察しやすいです。
水生昆虫、カエル、小魚、カニなど。危険のないものでしたら、どんどん触らせてあげましょう。図鑑を手に、名前や生態を調べてみてください。虫眼鏡も出番ですよ。
水辺には美しい野鳥も数多く訪れます。川の大きさや地域によっても種類は変わりますが、野鳥を探して眺めるのも大変面白いです。
もし子どもが、お父さんお母さんの苦手な生きものを持ってきたら……グッと我慢です!
自分が苦手なことを伝えるのはOKです。でも、「気持ち悪いから捨ててきなさい!」のセリフは、どうか飲み込んであげてください。
子どもはまだその生きもののことを知りません。せっかく芽生えた「これは何だろう」「面白い!」というワクワクを尊重してあげてこそ、豊かな感性が育まれるものです。
小さなことですが、自然の中から多くのことを学び取ろうとする子どもを、応援してあげてくださいね。
水に入りたくない、魚は見たいけれど自分ではとらない、そんな子もいるかもしれません。それでもOKです。
岸辺で石を積んでいるだけでも、楽しそうに遊んでいたらよしとしましょう。
せっかく来たのだから、と無理矢理網を握らせたり、水に入らせたりすると、川が嫌いになってしまうかもしれません。
大人は焦らず、「川遊びは楽しい、川に来ると楽しい」ということを教えてあげて下さい。
川遊びの「安全」についてもう少し考えてみよう
無くならない水難事故が、河川でも多く起きているのをご存じでしょうか。
川はつねに変化しています。遊んでいる場所で雨が降っていなくても、上流で激しい雨が降っているかもしれません。突然増水することも考えられます。
現地の天気だけでなく、上流地域の天気も前日から気にかけるようにするなど、目の前で起きていること以外にも注意を向けるようにしましょう。
ダムの放流があるような場所では、ダム放流の警報について書かれた看板が立っていることがあります。注意事項に目を通し、増水の可能性があることを忘れずにいましょう。
こういった心構えは、思いがけない事故を防ぐためにとても大切です。
「安全」というのは、「危ないなら、川で遊ばせなければいい」と同じことではありません。
子どもが進む道の足下から、すべての石ころをどかして歩かせてあげれば安全かと言えば、そうではないのです。
野外にはどんな危険が潜んでいるのか、何に気を付け、どう対処すべきなのかをしっかりと伝え、子ども自身にも考えさせましょう。
淵(川の深くなっている部分)には近寄らないこと、瀬(浅くて流れの緩やかな部分)で遊ぶことなど、すぐにできることから教えてあげるといいでしょう。
そして、大人はどんなときにもすぐに手を伸ばせる位置で見守ってあげてください。子どもが水の中で遊んでいる間、岸辺で携帯電話の画面を見ていることのないようにしないといけませんね。
プールにはない水遊びの楽しさがある「川」
子どもはみんな、川遊びが大好きです。川遊びには、同じ水遊びでもプールにはない楽しさがあります。それらはすべて、水辺の環境によって生み出されている楽しさと言えるでしょう。
目には見えなくとも、川は多くの人の手によって守られています。
どのような川でも、目についたゴミは持ち帰るなど、自然を大切にすることもあわせて教えてあげられるといいですね。
子どもたちが大きくなっても、いつまでも楽しく川遊びができる環境を残していきたいものです。
【PROFILE/天嶺 葵】
アウトドア系フリーライターで、3児の母。海にも山にも出没するママキャンパー。子どもを中心に楽しめる、ファミリーライクなアウトドアライフを提案します。料理、DIYが得意。”ないもの、欲しいものはお金をかけずに作る!”がモットー。