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国内最大級の木の祭典「モクコレ」で発見!キャンプにぴったりな大小道具5選

日本各地から国産材と木のプロが東京ビッグサイトに集結

昨年2019年12月に、有明の東京ビッグサイトにて日本最大級の木の祭典「WOOD COLLECTION(通称、モクコレ)」が開催された。

全国からさまざまな国産材が集まり、木を使った道具やこれを活用したビジネスなどを紹介する展示会である。

同展示会は、国産材の価値を見出していくとともに、木材とそれを加工する技術を披露して木から日本を盛り上げることを目的にしている。そこで大切なのが全国にある木なのだが、実は同じ木の種類でも各地でサイズや性質が異なることをご存知だろうか。

簡単ではあるが、例としてヒノキの取り上げてみよう。

こちらは神奈川県内で伐採されたヒノキ。

続いて、岐阜県で伐採されたヒノキ。

皮の色や厚み、木の太さ、そして年輪の色などが異なることがひと目でわかる。寒暖差や水分量、日光の当たり具合など、さまざまな要因が考えられるが、同じ種類なのに国内でこれだけ異なっているのだ。

また、木の性質によって最適な部品もあれば適さない部品もあるため、しっかりとその知識を知っておく必要がある。同展示会では、木のプロや各地の業者がていねいに説明してくれるので、多くのバイヤーが足を運んでいた。

今回はこの中で、キャンプでも活躍しそうなおもしろそうなものをピックアップ。ウッドギアが好みな人は、ぜひチェックしておこう。

【沖縄】この地でしか採れない木を使ったコップやお皿

まずは沖縄ブースにて発見した小道具から。同県にはリュウキュウマツやヤンバルなど、他の県にはない独自の木が存在する。そんな木々を工房で乾燥させ、職人の手でていねいに作られたコップや皿が販売されていた。

ウッドコップは、極薄のガラスグラス「うすはり」に引けを取らない薄さで、しかもどれも軽いことに驚いた。この薄さでないと板を1周させるには難しいという。

もちろんそのためにも、熟練の職人が1点ずつ加工し、接着させて仕上げていく必要があるので、製造時間もかかっている。値段は3000〜1万円ほど。

次にウッドプレート(お皿)。すべてサイズも形も異なることに気づいた。

こちらはシークヮーサーの木を使って製作したお皿で、役目を終えたり台風などで倒れたりした木を取り寄せて工房でカッティングし、それぞれの木の個性を尊重しながら作られる。

そのため、サイズもデザインもすべて異なるんだとか。これがテーブルに並んだら、きっと話題の中心になること間違いなしだ!

【富山】ひみ里山杉を使った軽トラ小屋

次は、製作日数は1日も経たずに作ったという超特急で作られた軽トラ小屋。富山ブースのひみ里山杉活用協議会コーナーで展示されていたもので、こちらはプロトタイプ。それにしても、そんなスピードで作れることに驚き……。

この小屋には、富山を代表するブランド杉・ひみ里山杉が使われており、耐久性と柔軟性、そして虫害に強い性質をもつことから、造船用の木材として昔から使われていたそうだ。そんな杉をふんだんに使い、木の温もりを残しながらおしゃれな雰囲気に仕上げている。

担当の方に話を聞いたところ、この小屋のポイントは屋根だという。よく見ると、ゆるやかではあるが湾曲している。これによって雨が降っても左右に水が流れるようになっており、水の重みで小屋が倒れるのを防いでくれるそうだ。

なお、協議会では軽トラの小屋ではなく3坪ほどの小屋を製造・販売するのがメインとのことで、こちらはイメージしやすいように急遽制作したものだそうだ。相談に応じることは可能とのことで、興味がある人は問い合わせてみてはいかがだろうか。

ひみ里山杉活用協議会の公式ページはこちら

【岐阜】北海道の広葉樹を活用したスウェーデントーチやウッドチェア

スウェーデントーチといえば、丸太に切り込みを入れ、中央に火を入れて丸ごと燃焼して楽しむ伝統的な焚き火。

岐阜ブースの飛騨市コーナーでは、2018年から北海道中川市と姉妹森協定を結び、価値の高い木々を活用した取り組みを進めている。その一環としてスウェーデントーチが製作しているという。高さがあるため、一般的なトーチと比べると長く楽しめるのが特徴。

また、同じく丸太を活用したウッドチェアなども手がけており、こちらは家になじむおしゃれなデザインに設計されている。それ以外にも、ウッドプレートやきれいに束ねられた薪なども展示されており、興味深く担当者と話す人が多かった。

【山形】高級材を使ったウッドスピーカー

電源入らずで、スマホを載せて音楽を流せばふんわりとした温かみのある音が出るウッドスピーカーは、キャンプシーンでも使っている人が多い。山形ブースの杉山木工コーナーでは、さまざまな木を使ったウッドスピーカー「MUKUNE(ムクネ)」を販売していた。

ブナやウォールナットといった聞きなじみのある木から、ウェンジやリグナムバイタといった希少木まで幅広くあり、価格帯は7000円〜3万5000円ほど。音にもそれぞれ個性があり、聞き比べをしているだけでもとても楽しめた。

ちなみに、このウッドスピーカーは3次元加工で削り出して製作しているとのこと! 気になる人はぜひチェックしてもらいたい。

杉山木工の公式ページはこちら

【石川】ログハウスメーカーが手がけるテントキューブ

最後に紹介するのは、石川ブースに展示されていたテント。ではなく、こちらはテントの形をした簡易的なログハウス。屋根は厚手のキャンバス生地を採用し、中央に1本のポールを入れて固定している。

土台はログ材を使用し、雨風を防いでしっかりと固定されている。提案しているのは、ログハウスを販売する北陸リビング社。

施工は簡単とのことで、パッケージを送ってもらい、自ら作るものだそうだ。価格は28万円。宿泊するには小さいが、グランピングや庭にあったら目をひくだろう。

北陸リビング社の公式ページはこちら

※ホームページにはテントキューブの情報はなし

【番外】こんな意外なウッド道具も展示

キャンプとは異なるが、岩手ブースのウッドホイールチェア二戸コーナーでは、岩手県で採れるカラマツをふんだんに使った木製車いす「楽助 -RAKUSUKE-」が展示されていた。

ポイントはチェア部が360度回転すること。これによってベッドやダイニングチェアとの行き来がしやすくなるとのことで、都内の介護施設などを中心に50台を販売したそうだ。

カラマツは以前までの割れやすい・くるいやすいという欠点があり、板材としては不向きとされていたが、腐りにくく適度な弾力性があるため、合板や集成材として活用され始めているとのこと。こちらも集成材として使っており、長時間座っても足腰が痛くなりにくいという。

また、ヌメ革のように見た目の経年変化が起きやすいことから、愛着もわきやすい。

ただし、チェアの比重を大きくしたことで、車輪を自力で動かすことができないことから、基本的には後ろから押してもらうことが前提。ウッドを使った車いすをお探しの人は、検討してみてはいかがだろうか。

ウッドホイールチェア二戸の公式ページはこちら


今回紹介した以外にも、さまざまなウッド商品や体験コーナーが並び、会場は大いに盛り上がっていた。自然のなかで楽しむキャンプは、木との関係は切っても切り離せない関係。ウッドギアを探し求めている人は、こんな展示会を見てみるとおもしろいかもしれない。

WOOD COLLECTIONの公式ページはこちら

撮影・文/小川迪裕(オガワミチヒロ)

【Profile/小川迪裕(オガワミチヒロ)】

フリーランス編集者、ライター。得意ジャンルはキャンプとファッションで、雑誌からWEBまで幅広く寄稿する。最近はタブロイドやイベント冊子の製作、イベントの企画、ブランドPRなどもやる何でも屋に。


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