おしゃれキャンパーに人気が高い「muraco(ムラコ)」のペグハンマーが気になる
ペグハンマーといえば、大きいヘッド(ペグを打つ先端の金属部)と楕円形の持ち手の組み合わせが一般的なデザイン。しかし、2018年に発売されたアウトドアブランド「muraco(ムラコ)」のペグハンマーが、あまりに斬新で業界をざわつかせている。
muraco担当者によると、首都圏を中心としたアウトドアショップでは売り切れが続出し、発売して3か月で700本を売りスマッシュヒットとなった。なぜそんなに多くの人を魅了するのか、実際に購入してその性能を試してみた。
まずはmuracoについて
muracoは、埼玉県狭山市の金属加工メーカーが立ち上げたファクトリーブランド。その高い技術力を活用し、ペグやタープポールをはじめ、テント、タープなど続々とラインナップを拡大。今年には5人収容の大型2ルームテント「ZIZ 5P」を発売してさらに注目が集まっている。
カラジャスペグハンマーをフィールドで体験
ではさっそく、このカラジャスペグハンマーを拝見。他のハンマーとの比較や実際にペグ打ちをした感想を紹介する。
特徴その1:ヘッド幅がほぼない
最初に、隣に筆者がキャンプを始めてから長年使い続けているスノーピーク「ペグハンマー PRO.C」を置いて外見から比較していく。
スノーピークのハンマーは長さ29cmに対し、muracoのハンマーは27.5cmと、ここはあまり大差がない。しかし、幅に関してはスノーピークのものは12cmに対してmuracoのものは5.5cmと半分以下の数字を実現。
その秘密は、ひと目でわかる「ストレートヘッド」と呼ぶヘッドにある。ここが横ではなく縦についたことで結果的に幅が短くなったわけだが、これのおかげで得られる点がある。
それは、バッグやポケットなど小さい場所に収納しやすくなったこと。ヘッドとハンドルが直線になったおかげで、
たとえば、テントやタープの収納袋に入れておけば忘れる心配がないし、バッグのサイドポケットに入れればソロキャンプなどでも気兼ねなく持ち運べる。ヘッドがあるとそこが邪魔で収納に苦労することから、個人的にはメリットになると感じた。
特徴その2:バランスのとれた重量配分と軽量化を実現
ペグ打ちのコツは、ヘッドの重さを使って振り下ろすこと。そうすることで、腕にムダな力を加えなくてもペグが刺さるので疲れにくい。多くのメーカーのハンマーは、その原理に則ってヘッドに重心を置いているわけだが、ハンドルにもある程度の強度がないと壊れる可能性がある。
muracoのカラジャスペグハンマーは、強靭なステンレス 304製のヘッドに重心を置きながら、強度と軽さを兼ね備えたA6063 アルミ合金を採用したハンドルを開発。
実際にペグ打ちをしてみたが、サクサクと打ててテント設営がラクにできた。しかも、この最適な重量配分を実現しながら総重量は236g! スノーピークのペグハンマー PRO.Cが670gなので、半分以下に抑えられたのは素晴らしい。
なお、カラジャスペグハンマーはアルミペグ専用のため、ステンレス製や鍛造仕上げのスチール製のペグには使えないので注意しよう。
特徴その3:ペグの形状や環境に応じて使えるヘッドの仕様
カラジャスペグハンマーは、ペグを打つだけではなく、もちろんペグを抜く機能もある。先端は筒状になっており、通常は空洞部にペグを入れて抜く。
L字型のペグは、ヘッド中央部のくり抜かれたくぼみに引っかけて、グリグリと左右に振りながら引けば簡単に抜ける。
もしペグが地面から抜きにくい場合は、ハンマーを横にし、くぼみにペグを入れて左右に振れば抜きやすくなる、様々なペグの環境に応じて使えるのも魅力だ。
唯一、気になる点といえば……
デザイン、スペックともに申し分ない! と言いたいところだが、唯一、気になった点といえば、ペグを深くまで刺そうとすると手が地面に当たりそうになること。
通常のハンマーはヘッドが横についていてヘッド幅があるため、ペグを深く打っても手が地面に当たることはあまりないが、カラジャスペグハンマーはヘッド幅がほぼないため、慣れていないとたまに地面に当たるかもしれない。使い慣れれば問題ないだろうが、初めて使う際には気をつけよう。
muracoのカラジャスペグハンマーでおしゃれキャンプを!
キャンプブームで個性的なアイテムが続々と登場しているが、その中でペグハンマーをここまで斬新なデザインに仕上げたのは興味深い。モノトーンのカラーリングもおしゃれで、持っているだけでサマになる。もしお店で見つけたら、早めに購入することをオススメする。
muraco「カラジャスペグハンマー」アイテム詳細
価格:3900円+税
サイズ:幅5.5cm×長さ27.5cm
重量:236g
商品の詳細はこちら
https://www.muracodesigns.com/products/equipment/carajaspeghammer.html
撮影・文/小川迪裕(オガワミチヒロ)
【Profile/小川迪裕(オガワミチヒロ)】
フリーランス編集者、ライター。得意ジャンルはキャンプとファッションで、雑誌からWEBまで幅広く寄稿する。最近はタブロイドやイベント冊子の製作、イベントの企画、ブランドPRなどもやる何でも屋に。