デラさんのようなビンテージ品と現行品を取り混ぜて、上手にコーディネイトしているキャンプサイトを見かけると、俄然キャンプギアに興味が湧いてきてしまうのも無理はないですよね。ちょっと物欲にかられて、ビンテージ品探しをしていると、必ず出くわす専門用語のカズカズ。
「デッドストック」もそのひとつ。
在庫も資産です。でもいつまでたっても利益にならないから、Dead Stock=死んでる在庫。きっと会社の経営に携わる人が生み出した言葉なんでしょうけど、うまいこと表現したものですよね。
そんな倉庫に長年眠っていたようなアイテムをデッドストック品として扱われると、販売時期との時間差から、貴重なビンテージ品として価値が上がる場合もあります。ただしデッドストックは、なにゆえ在庫として死んでいたかによって、その姿形はだいぶ違ってきます。たとえば……。
1:単純に、当時は人気がなかったので売れ残った。この場合は店頭に陳列してあったが未開封。もしくはストックルームに在庫として本物の残り。
2-1:店頭に展示していた。言われなければ気づかないほどの使用あり。元箱もあり。
2-2:同じく使用感はほとんどないけど、元箱がない。
3−1:ちょっと傷ついてしまったが、元箱はあり。
3−2:傷ついてしまって、箱もなし。もしくは箱も潰れた。
4:不良品やB級品などなど。
表記としてはNOS=New Old Stockとか。新しいけど古い在庫品。「ノス」なんて呼びます。
箱ありの場合は、NIB= New In Boxですね。箱入り新品の「ニブ」とか。
MINT、「ミント」なんて表記もあります。正しくはMint Conditionといいますが、もともとは新品を示す表記だったようです。
そこから若干使用感がでてくるとNM=Near Mintで、新品に近いってことでしょう。どれも個人の感覚に左右されるところが大きな表記なので、デッドストックのモノ選びは難しそう。
前に一度、NIBと表記されながらも、元箱はボロボロになっているアイテムを見たことがあります。箱はボロでも中身が新品なら、箱入り新品って呼ぶんでしょうね。箱まで新品の場合は、NINB= New Item New Boxとか? そうなってくると、新品の箱に詰め替えたっぽく感じてくるのは僕だけでしょうか……。
デラさんのキャンプサイトには、シアーズのツーバーナーやランタンなど、たくさんの新品同様のビンテージ品が並んでます。
一方で、使い込まれたプジョーのコーヒーミルなんかもあります。そうフランスのクルマメーカーで、あのライオンのエンブレムのプジョーです。
プジョーは1889年にクルマを作りはじめる前、ミルなどの歯車を使った金属製品の製造業をしていたそうです。
1840年に誕生したプジョーのコーヒーミル。この円柱状のアイテムは、いまやほとんど手に入らないので、傷がつきやすい水貼りデカールのロゴマークが残っているだけでもかなり貴重です。1874年から、現在もプジョーはペッパーミルを作ってますが、いまはクルマと家庭用品で、なぜかライオンの向きが逆ですね。
ビンテージ品をそのまま使うだけでなく、パーツを灰皿に改造したりして楽しんでいるデラさん。このパーツはコールマン 200A ランタンのガソリンタンク部分でしょうか? ロゴマークの黄色い枠が特徴的でした。
photo:ULALA
text:アマキン
【PROFILE/アマキン】
本業はクリエイター。アウトドアアクティビティ、DIY、クッキングを得意とすると豪語しながら、すべてはプロフェッショナルには遠く及ばない「素人にしては、まあ上手だな」程度のレベル。