季節で変わるテント選び
キャンプデビューをするとき、さまざまなギアを買いそろえます。いちばん重要かつ高額になりがちなアイテムが「テント」です。
今回の記事では、キャンプデビューの準備を進める初心者の方に向けて、テント選びについて解説します。
キャンプをどの季節にやるかによって、テントの選び方が異なります。今回は季節を中心に、テント選びの基本を見ていきましょう。
テント選びのチェック項目はたくさんある!
ひと言で「テント」と言っても、たくさんの種類があります。
お気に入りの色やデザイン、形、予算、人数などの要素に加え、キャンプ地までの移動手段、春夏秋冬どの季節に使うか、テントをどのように使いたいかなど、検討要素は多岐に渡ります。
「買ったものの、気に入らなければ買い替える」に難しい高い買い物なので、慎重に決めたいものです。
まずは自分がどんなキャンプをしたいのか、何にこだわりたいかなどをイメージしつつ、条件を絞ってからいくつかのテントを比較しながら検討していきましょう。
どの季節にキャンプがしたい?
バーベキューをして、夜には焚火を見ながらコーヒーを飲んで……と楽しい想像が膨らみますが、それはいつの季節で考えていますか?
当然ながら季節によって気温、昼と夜の温度差、天候の傾向は異なります。
まずはキャンプをする前に季節によるメリット・デメリットを理解し、自分の想像とすり合わせていきましょう。
【春】キャンプ
暖かな陽気で過ごしやすく絶好のキャンプシーズンです。そのため、人気のキャンプ場は混雑してしまうのでご注意を。
また、春は天候が不安定になりがちで、いきなりの雨や突風に襲われることもあるので、こまめな天気予報チェックと備えが必要です。
【夏】キャンプ
海や山などでのキャンプが盛んになるシーズンです。場所によっては涼しいので、アウトドアを満喫することができます。
虫が多くなる、熱中症の危険性が高くなるなどのデメリットもお忘れなく。
【秋】キャンプ
春同様過ごしやすい気候かつ、虫も少なくなってきているので人気なシーズンです。食欲の秋、スポーツの秋などを楽しむことができますね。
ただし、昼と朝晩の寒暖差が激しい季節でもあるので、温度変化に対応できる装備が必要です。
【冬】キャンプ
寒さ故に、一般的にはオフシーズンと言われています。
そのため、混雑を避けたいベテランキャンパーにとっては人気のシーズン。
防寒対策をしていれば充分楽しめますが、氷点下になる日や雪中キャンプは危険なので、初心者は念入りな準備が必要です。
このように、季節によってキャンプ時のシチュエーションは異なります。
それに合わせて、暑くても熱のこもらない通気性の良いテントを買うか、それとも雪にも耐えられる丈夫なテントを買うかなど、適切なテントを選ぶ必要があります。
3シーズン用?冬用?季節に合ったテント選びとは?
テントには主に春・夏・秋に使える3シーズンタイプと、冬に対応したタイプのものがあります。
この2つの大きな違いは「通気性」です。
3シーズン用は基本、夏でも過ごしやすいように熱気を逃がしやすいメッシュ加工がついています。これがあることで、テント内の風通りが良くなり、涼しく快適な環境ができあがります。
場所にもよりますが、初夏~秋とだいたいの季節で使えるため、冬以外のシーズンでたくさんキャンプを楽しみたい方にはピッタリです。
逆に、冬用は少しでも熱気を逃がさないように、「スカート」がついているものが多いです。
テントの「スカート」とは、フライシートの下から地面までを覆うカーテン状の生地のことで、テント内の空気を外に漏れにくくする、また外からのすきま風や冷気を防ぐ効果があります。
その他にも、結露がつきにくいコットン素材のものや、雪などの悪天候や凍結にも耐えられる丈夫なシートやポール、ストーブ用の煙突穴が付いているなど、冬を耐えるための工夫が詰め込まれています。
冬用テントの中には雪山用といった、防寒よりも丈夫さ重視のタイプもあるので、「冬用=充分な保温性がある」ではないことを注意しておきましょう。
また、冬用テントは、「大半をテント内で過ごすから、居住スペースが広いほうがいい」や「頻繁に外に出るから、寝る場所だけあればいい」など、キャンプスタイルによって適切な形も変わります。
冬用テントを買う場合は、自分がキャンプでどのように過ごしたいかを頭の隅に置いておいてください。
季節ごとにいくつもテントを買いそろえるのはお財布事情的にも難しいので、まずは自分がメインで行きたい季節に合ったテントを選びましょう。
とはいえ、悩んで考えて買ったとしても、実際に使っていると問題点は出てくるもの。
経験を通して「この季節に使うには少し寒いからインナーマットを変えよう」「次買うときはもっと丈夫な素材を選ぼう」など、少しずつ自分の理想に近づけていくと良いでしょう。
季節によって設営場所・方法にも注意が必要!
季節に合ったテントを買えばこれで安心!というわけではありません。
テントの設営場所や方法も季節の特徴によって変える必要があります。
例えば春。先ほどもご紹介したとおり天候が変わりやすいうえ、急な強風が吹くことも珍しくありません。
丘の上や海沿いなど開放感のある場所でのキャンプは気持ちよいですが、言い換えると風よけになるものがなく、風の影響をダイレクトに受けます。
春の嵐に巻き込まれないよう、あらかじめ風よけのある林間サイトで設営したり、いつもよりテントの固定をしっかりするなど防風対策をしておきましょう。
次に気をつけたいのが冬。特に雪中での正しいテントの張り方をご存知でしょうか?
雪の上にテントを設営する場合は、まず雪を踏み固め地ならしをする必要があります。そうすることで、地面が凸凹で不安定なテントになるのを防げます。
他にも、雪でもしっかり固定できる雪用ペグを使ったり、ファスナーが凍らないように潤滑油を塗って水が溜まらないようにしたりなど、冬のテント設営はやるべきことがたくさんあります。
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THE NORTH FACEの人気テント3選
ノースフェイスというとウェアのイメージが強い人もいるかもしれませんが、実は世界で初めてドーム型テントをリリースしたブランドです。
キャンプ向け、登山向けなどさまざまテントを扱っています。
大きくロゴも入っているので、ノースフェイス好きにはたまらないかもしれませんね。
今回は人気のテント3つを紹介します。
風に強い! Geodome4(ジオドーム4)
見た目のインパクト大の4人用ジオデシックドームテントです。
「ジオデシック・ドーム」とは、三角形で構成される半球形のデザインのことで、「最小のパーツで最大の強度と居住空間を持つ」のが特徴。
このジオドームは、わずか6本のポールで半球以上の高さを形成することによって広い居住空間を作り出しています。
風にも強い構造なので、山のすそ野、遮るものがない高原など、風が気になるキャンプ場でもオススメです。
設営時のサイズ感の割に、重さ10kg強でコンパクトに収納でき、持ち運びも簡単。
夏にぴったり Talus 3(トーラス3)
2~3人向けのダブルウォールテント。フルメッシュ構造のため通気性抜群で、暑い時期のキャンプにうってつけ。
左右2つの出入り口があり、テント内へのアクセスもラクちんです。
冬もOKなオールシーズン Bastion 4 (バスティオン4)
風への耐性が強いクロスポール型のドーム構造を採用した人気テント。4シーズンOKで、極地対応もしているタフなモデルと言えます。
4人が就寝できるスペースを確保しつつ、調理時に便利な広い前室、荷物置きや出入り口としても使える後ろ側のサブスペースも設けられています。
黒と黄色のフライシートは雪上での視認性を向上させるために考案された配色とのこと。
長い付き合いだからこそ慎重に選びたい
さまざまなキャンプギアの中でも買い替えが少なく、長い付き合いになるテント。だからこそ、使いやすく自分のキャンプスタイルに合ったものを選びたいですよね。
自分の理想のキャンプを季節までしっかりイメージし、テントの特徴とすり合わせつつ、お気に入りの1張を見つけてくださいね。