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タオルも凍る−30度の北海道ってどんな服装? アウトドアウェアの基礎知識

−30度の北海道ってどんな服装で行けばいいの!?

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1月24、25日に北海道幌加内町(ほろかないまち)の朱鞠内湖(しゅまりないこ)に行ってきたのですが、いったいどんな服装で行けばいいのか、超絶悩みました。だって、気温が−20度はザラで、ときには−30度になるって言うじゃないですか。

実際、行った日は日本に寒波が来たタイミングだったので、今季イチの冷え込みでした。

タオルも凍る、衝撃の寒さ

1月25日の9時ごろは−15度から−10度でしたが、濡れたタオルもこの通り。カチンコチンに凍っちゃいました。

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ピーン!と固まったタオル。濡れタオルを10秒くらい振り回すとこのとおり凍っちゃいます。このときで−15度くらい。

そこで今回は、アウトドアウェアの構成についていろいろ学んだので、実際の装備とともにまとめてみますね。

なかなか−30度に行く人は少ないと思いますけど、いざ行くとなったらものすごく悩むと思うので、いざというときに参考にしてもらいたいです!

レイヤリングの基本的な考え方

具体的なアイテムを考えるまえに、まずはアウトドアのウェアについておさえるべき基礎知識があります。それが「レイヤリング」。

「レイヤリング」とは、「天気や気温など刻々と変化する外部環境に対し、体を快適で安全に保つためのウェアの着方」のこと。きちんと適正なレイヤリングをしていれば、暑い夏の汗でも、激しい風雨のときでも、厳しい寒さに対しても快適な状態を保て、気持ちよくアウトドア活動が楽しめます。

レイヤリングの基本

1 体の表面の汗を吸い上げて発散させる
2 体の表面の熱を逃がさずに保つ
3 外の冷気を遮断する
4 雨や雪、風などの荒天から体を守る

簡単にいうと、体を冷えさせる湿気をきちんと逃がして、外気から身を守るということ。こういった機能を1つの服でまかなうのは無理なので、レイヤー、つまり目的にあった機能の服を”重ね着”することがキモなのです。

ウェアの構成を「アウターレイヤー」「ミドルレイヤー」「ベースレイヤー」の3グループに分けてレイヤリング(重ね着)し、気温や天気、運動量に応じて脱ぎ着して温度調節をすることで、快適な状態をキープできるのです。

寒さ対策のレイヤリングはいかに空気の層をつくるか

ポイントは、ひと言でいえば”外気を断熱した空気の層をつくること”。体の周りに空気の層を作って、自身の体の熱をいかに保ち、より温かくすることが大事なのです。

というわけで、北海道幌加内町の朱鞠内湖に持っていた装備を紹介します。本記事では上半身のウェアについてまとめます。

※下半身の装備についてはこちらから
https://cazual.shufu.co.jp/archives/9860

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北海道で着た防寒着たち。中央上から時計回りに、アウターのジャケット、ネックウォーマー、薄手のグローブ、厚手のグローブ、靴下、メリノウールのインナー、フリース、ダウン、タイツ、シンサレートのパンツ、シェルパンツ。

ベースレイヤー 肌をドライに保ち保温する

ベースレイヤーはいちばん肌に近い層で、いわゆるインナーですね。これは上記レイヤリングの基本のに当てはまります。素早く汗を給水して拡散させて肌をドライにキープすること、そして保温性を確保することが目的。気温や湿度などの気象条件、運動量や発汗量を考慮してセレクトします。

活動しているときは汗をかいて暑いけれど、止まったり休憩したりすると、体温は下がります。そのときに、汗を吸水して発散させて肌をドライな状態にキープしておかないと、汗冷えしてしまって風邪の原因となることも。

雨や雪から身を守るためにアウターを重視で、ついベースをないがしろにしてしまいがちですが、実は、いちばん大事なウェアといっても過言ではありません!

ベースレイヤーはアイスブレーカーのメリノウール

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ベースレイヤー選びでいちばん大事にしたのは素材です。いろいろな方に聞いた結果、僕は「メリノウール」をチョイス。U社の温かい機能性下着も検討したのですが、「体から出る水蒸気を熱エネルギーに変える」ということで活動中はいいけど動かないときはどうなの? と懸念があったのでやめました。

一方、「メリノウール」はその名のとおりウールなので天然素材。繊維自体に高い吸湿性を持っていて、汗をかく前の段階から体が発する水蒸気を吸収して発散してくれます。温度調節に優れていて、肌面の水分を吸収するときの吸着熱と体温が、メリノウールの繊維がつくり出す多くのエアポケットにため込まれて暖かさをキープ。また、抗菌防臭効果が高く、洗濯しなくても数日ぶっとおしで着続けていても気にならないとか。

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そこで僕がゲットしたのは「ICEBREAKER」(アイスブレーカー)のメリノウール。国内外問わず、いろいろなアウトドアブランドからメリノウースのアイテムは出ているけど、デザインがちょっとイマイチ。ロゴが妙に派手で大きかったり、ボーダーだったり、ピッチピチで体にフィットしすぎなものだったり。そうなるとふだんは着づらいと思ったので除外。

アイスブレーカーのものがいちばんシンプルで、ふだんの着こなしにも使えるかなと思いました。見た目はブラックのニットなので、一枚でサラッと着られて、ふだんもヘビロテしています。

最初は、ホントにあったかいの?と半信半疑な部分もありましたけど、着た瞬間、ふんわりと温かいんです。これには驚きました。

ミドルレイヤー 体から出る熱を保つ

ベースレイヤーの上に重ねるのがミドルレイヤー。これも上記レイヤリングの基本のに当てはまります。ミドルレイヤーは、アクティブに活動している最中に着る”行動着”と、休憩中や寒いときに着る”保温着”の2タイプがあります。体の熱をきちんと保つことが主な目的で、フリースやウール、ダウンなど、空気をしっかりため込める素材の服が選ばれることが多いです。

保温性が主な目的ですが、汗をかく量やどのくらい体を動かすのかといった運動量などに応じ、汗や湿気を溜め込まずウェアの外に透過させる通気性や速乾性も重要。水分がウェアにたまってしまうと冷えて体に負担をかけてしまうからです。上記レイヤリングの基本のの中でも、”発散”の部分が大事になります。

ミドルレイヤー1 HOUDINI(フーディニ)のフリース

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今回は、ミドルレイヤーを2枚重ねることにしました。

まずベースレイヤーの上に着るのは定番のフリースをチョイス。ブランドはHOUDINI(フーディニ)です。サラッとした質感の表面とふわふわの裏地、けっこう記事も厚めのものをセレクトしました。

「パワーフーディー」というアイテムなのですが、これはPolartec®Power Stretch Proという生地を採用していて、柔らかくて弾力性に富み、とても着心地がいいです。あとストレッチが効いていて、動きにもストレスがありません。着るとわかるんですが、襟が高めで、ジップをあげると首全体にフィットして隙間がない。寒気が入るのを防いでくれます。あとサムホールがついているのも、手を包んでくれて温かいです。

ミドルレイヤー2 マウンテンハードウェアのインナーダウン

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フリースの上に着て、さらにその上にアウターを着るので、ここのダウンはあまりかさがないものを選びました。マウンテンハードウェアのダウン「ゴーストウィスパラーダウンジャケット」です。

ダウンの暖かさはフィルパワーと呼ばれる数値を目安にしましょう。フィルパワーとは、羽毛のかさ高性を表す単位で、羽毛1オンス(約28グラム)あたりの体積が大きければ大きいほど、良質であると言われています。600フィルくらいから良質のダウンと言われていて、今回のダウンジャケットは800フィル。高品質と言えますね。軽いながらもかさがあるということは、それだけ空気を含むことができるということ。

600〜700は良質、800は高品質、900は超高品質、1000は最高品質と言われています。今後、ダウンを選ぶ際にはこのフィルバワーを見てみてくださいね。

実際このジャケットも200グラムを切っているのに、とっても温かい。東京でフリースとこのダウンを着たら、ちょっと歩くだけでもうっすら汗ばみます。

加えて、このジャケットは撥水ダウンなので、氷点下のアクテビティ−には雪がつきものなので濡れないことも大きなポイントでした。

アウターレイヤー 外気をシャットアウトする

ミドルレイヤーの上に重ねて、いちばん外側に着るのがアウターレイヤーです。上記レイヤリングの基本のに当てはまります。雨、風、雪などから体を守るための、防水性、防風性が大事なポイントです。寒さ対策で考えるのであれば、外気をシャットアウトして、体近くで温まった空気を逃さずに止めさせなくてはいけません。ベースやミドルのレイヤーにせっかくあったかい空気があっても、濡れてしまったり、風がビュービューと通り抜けてしまったら、元も子もありませんからね。

アウターでいうと、防水、防風をうたっているジャケットがオススメ。ちなみに、シェルでいうとハードシェルがいいですね。

これも運動量や気象条件などを考えながらセレクトすることが大事です。

アウターレイヤーはマウンテンハードウェアの防水ウェア

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スノースポーツにも対応しているマウンテンハードウェアのジャケット「ワードピーク3LジャケットV.3」をチョイス。ドライQコアという防水透湿素材を使っていて、水の染み込みをシャットアウトしてくれます。スノースポーツ対応なだけあって、生地も厚めで、ところどころ裏起毛となっているので防寒にも優れています。

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胸のところに大きなポケットが2つついていて、手袋の収納にも便利でした。だって、極寒の地ですから手袋もけっこう大きいんです(手袋の紹介は後編で)。

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あと、いくら氷点下とはいえ、動けば暑くなります。そんなときはベンチレーションでジャケット内の空気を入れ替えます。こうした空気の入れ替えができないと、汗をかきすぎたりして結局、汗冷えしてしまうので、フロントのファスナーを開けたり、ベンチレーションを開けたり、ジャケットを脱ぎ着したり、こまめに対応する必要があります。


4枚のレイヤリングで−30度はいける! 下半身の装備は明日公開!

−30度に耐えうるレイヤリングの基本について、上半身編はここまで。上半身は4枚しか着ていませんが、十分に北海道の寒さに耐えられました。
※下半身や靴、グローブなどの装備についてはこちらから
https://cazual.shufu.co.jp/archives/9860

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text:george

【PROFILE/george】

茨城県東海村出身の32歳。インテリア雑誌、週刊誌、書籍、ムックの編集を経て、現在Webディレクター。4年前の朝霧ジャムに行って以来、アウトドアにハマる。テントはMSRのエリクサー3、タープはZEROGRAM。車を持っていないので、キャンプに行くときは知人の車に相乗りが常。なので、基本の装備は「軽くコンパクトに、友人の負担にならないこと」が信条


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