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アウトドアコーヒー潭訪VOL.1<黎明期>「コーヒーバネットの衝撃」

キャンプで道具を使うのが楽しい

もう25年ほど前になるのでしょうか。アウトドアショップで、ある商品が目に止まったのです。ステンレスの針金をバネ状に形成したコーヒードリッパー、その名もコーヒーバネット。

当時はクルマでのキャンプばかりを楽しんでいて、積載量に余裕があることから、大型のキャンプ道具が増えていく傾向が個人的にあったのです。

室内で立てるほど背の高いテント。テーブルにイス。ガソリンツーバーナーに、やはりガソリンのランタン。さらには光量調節の容易なガスランタンと、熟考せずに道具を買い揃えてました。キャンプへ行くたび、新たなアイテムを加え、野外でコーヒーを楽しむために買ったパーコレーターなんかもそのひとつでした。パーコレーターで淹れたコーヒーはジャリジャリした舌触りで、これっぽっちも美味しくなかったけど、道具を支使えたことに満足し、なんとなくいい気分だったのです。

ほとんどのアイテムが、その「なんとなくいい気分」という曖昧なもので、大満足ではなかったのです。

25年前に出会ったコーヒーバネットがコンパクトキャンプ転換のきっかけ

昔のタイプは足が短いのでシェラカップでは届かない。ゴトクを台座にしてコーヒーバネットを使う。

初期のコーヒーバネットは足が短いのでカップを選び、シェラカップではフチまで届かないのです。そんなときはなにかを台座にして、コーヒーを淹れたものでした。

「これはイイかも!」と即座にコーヒーバネットを手に入れました。

最初は「パーコレーターよりドリッパーの方が、断然旨いコーヒーが味わえる」という味に関する思いだけでしたが、持ち帰ってはじめてそのコンパクトさの利点に気がついたのでした。

「これなら、クルマでのキャンプだけでなくオートバイや自転車、トレッキングのときだって持っていける!」

いまや当たり前かもしれませんが、コンパクトなコーヒーアイテムは発想の自由も与えてくれたのでした。

コーヒーバネットを作ったのは旅作家

それから10年ほどが経ち、取材でコーヒーバネットを発明したという人物に出会ったのです。その人はメーカーの社員ではなく、旅作家だったのです。自分で針金を曲げて作ったアイテムを旅路で使い、自著に掲載し、その数年後にパクリ商品のようにメーカーから発売されたと語ってました。

この手の話は、取材をしているとたくさん遭遇しました。

日帰り登山に最適なサイズのバッグにデイパックと名付けた人。

冬になくてはならないモコモコ繊維を、はじめてフリースと呼んだ人。

それを「誰」と報じることも、また真相を確かめることもこれまでにしてません。そんなことをすれば、たちまちロマンが失われるような気がするので……。

そんなわけで、このコーヒーバネットは自由になれた野外珈琲の原点みたいなアイテムで、いまでも忘れた頃に引っ張り出してきて、楽しみながらコーヒーを淹れてるのでした。

photo:ULALA

text:アマキン

【PROFILE/アマキン】

本業はクリエイター。アウトドアアクティビティ、DIY、クッキングを得意とすると豪語しながら、すべてはプロフェッショナルには遠く及ばない「素人にしては、まあ上手だな」程度のレベル。


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